ここから本文です

箪笥<たんす> (2003)

A TALE OF TWO SISTERS/薔花、紅蓮

監督
キム・ジウン
  • みたいムービー 91
  • みたログ 737

2.97 / 評価:260件

薔花紅蓮伝

  • 玉吉 さん
  • 2009年6月11日 12時44分
  • 役立ち度 24
    • 総合評価
    • ★★★★★

 むかしむかし。あるところに。
 裵武龍という郷士にたいそう大事にされていた
 美しい奥方様が、2人の女の子を生みました。

 姉の名は-薔花(チャンファ)。
 そして妹は-紅蓮(ホンニョン)。

 もともと病弱だった奥方様は、
 自分の死期が近いことを悟り夫にこう言いました。

 「あなたほどの身分の方が、後妻を貰わぬはずは
  ありません。それは良いのです。ただ。
  あなたには良妻でも、血の繋がらぬ子供達に対して
  優しい母であることは、とても難しいことなのです。
  わたしは、それが気がかりでなりません・・・」

 やがて、奥方様はひっそりと息を引き取り、
 ほどなく、裵武龍は後妻を迎えることとなりました。
 
 案の定、この2人にとっての継母が性悪な女。
 連れ子が邪魔で仕方がない継母の姦計により
 二人は村外れの池に身を投げて死んでしまいます。

 それからというもの。
 池から少女のすすり泣く声が夜な夜な響き渡り、
 役人達が次々と謎の死を遂げていきます。

 そこで、王の命を受けたとある学者が
 村へ調査にやって来ましたところ、
 ある夜。学者の前に紅蓮の幽霊が現れ、訴えたのです。
 
 「わたしたち姉妹は、継母の策謀に貶められ
  あの池で非業の死を遂げました。
  どうか、わたしたちの無念を晴らしてくださいませ」

 学者は即座に継母を引っ立てて、島流しにしました。
 裵武龍は亡くなった姉妹を手厚く供養して
 後悔と懺悔の日々を送っていましたが、
 やがて新しい奥方を迎え、双子の女の子を授かりました。

 その双子は、まるで薔花と紅蓮の生まれ変わりのように
 そっくりだったということです。


とりあえず非常にザックリではありますが、
この「薔花紅蓮伝」は、韓国に古くから伝わる怪談話。
日本で言うお岩さんとか、牡丹灯篭とか、
ある程度の年代以上であれば、子供の頃から日常的に
読み聞かせられているような位置づけなのだそう。

さて、この『箪笥』。
例えば『ボイス』、『コックリさん』のような
十羽一絡げに韓流ホラーと思ってたら、イヤイヤとんでもない。

一回観て、ぞくぞくぞくっ!うわーい怖かったよおお。
そんなシンプルな映画じゃないのだ。
なんだかどうにも、ワケわからん。
「難解」。そう、ひじょーに小難しい。

ただ、この難解なトコがこの映画の最大の魅力。
難解というか、最初観て「うー分からん!!」と
そこで終わってしまったヒトは、とてもモッタイナイ。

初見時はてんでバラバラだった話の断片が
再見してみると、ある一本の線の上に乗ってたことに気付く。
『シックスセンス』が、
あの世紀のドンデン返しを堪能した後に
また初めから観ると更に面白かったのと、少し似てる。

ああ、そういう意味だったのか。なるほど。
パズルのピースが組み合って、
なんとなくの絵面がチラと見える。そんな感じ。
ただ、こっちは『シックスセンス』ほどに手口は鮮やかじゃなくて、
依然として謎があっちこっちに残されている。
やっぱり、モヤモヤしちゃうのだ。

そこからは、ムキになってリピートするも良し。
ネタバレサイトを探すも良し。
角川書店から出てる小説版・虎の巻を読んでも良し。
いちばん手っ取り早いのは、DVDの特典映像「たねあかし」。
(あ。「こーいう面倒っちい映画、オラ好かん!」
ハイ、それも立派な選択肢と思います)

ちなみに、この映画の原題は「薔花、紅蓮」。
上にザックリ書いた昔話はこの映画の原作ではないけども、
「韓国の人にとって、この話は常識」なのが前提。
これが頭に入ってると、格段に分かり易くなってくる。
カンの鋭い人なら、1発かもしれない。

いずれにしろ、この手の謎解きゲームは
自分の頭をどんだけ苛めたかで充実感が変わって来る。
ちなみに自分は、ムキになって4回観ました。
リモコン片手にサーチ!一時停止!またサーチ!
ああ!これ、あそこの伏線だったのか!すげえすげえ!
そんな「作業」もまた楽しい。
ある意味、まさにDVD時代の映画です。

そして。あらかたの謎が、謎じゃなくなった時。
想像を絶する程の真のゾクゾク!
に身を震わせるハメになります。

単なる、トリッキーなミステリーではありません。
心して、ご覧の程を。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 恐怖
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ