解説
人気アメコミシリーズ「バットマン」にたびたび登場する“キャットウーマン”を主人公に、オスカー女優ハル・ベリーが多くのスタントに挑んだアンチ・ヒーロー・アクション。『ヴィドック』のダークで美しい映像が目を引くピトフが監督を務め、ベンジャミン・ブラットやシャロン・ストーン、ランバート・ウィルソンらが出演。女性の持つ2面性を見事に演じ分けたハル・ベリー演じるペイシェンスとキャットウーマンのファッションに注目。
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映画レポート

「キャットウーマン」物語は結構イイ線行っているのに……。
92年の「バットマン・リターンズ」でミシェル・ファイファーが演じた、つぎはぎスーツで人気を博したキャットウーマンのスピンオフ版。1940年代からDCコミックスでおなじみのヒロインがセリーナ・カイルからペーシェント・フィリップスへ、舞台もゴッサムシティからレイクシティへ変更。「生まれ変わったキャットウーマン」てな趣だ!?
オスカー受賞後、ボンドガールやマーベルヒロイン(「X-MEN2」のストーム)などフランチャイズ映画へ出ずっぱりなハル・ベリー(他の候補はアシュレイ・ジャッドやニコール・キッドマンだった)が褐色な肌のくびれを強調し、セクシーなキャットウーマンのスーツを着こなす。けれど、彼女特有のムチムチしたヒップラインが逆に、重心の低さを強調している(脚が短く見える!)。またピトフ監督(「ヴィドック」)がお得意のCGでスピーディーなアクションを魅せるが、ゲームのモーションにしか見えないのだ。
物語は結構イイ線を行っているのに……。シャロン・ストーンやランベール・ウィルソン(「マトリックス」のメロビンジアン役)がセルフパロディを駆使して悪役に扮しているのが意外におかしいが、恋人の刑事役ベンジャミン・ブラットがミスキャストに思える。 (佐藤睦雄)
丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にて公開中
[eiga.com/11月11日]
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2004年11月11日 更新