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きみに読む物語 (2004)

THE NOTEBOOK

監督
ニック・カサヴェテス
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4.10 / 評価:4443件

ダーリン。

老人と、老女。
そうだな、まったく私とは別世界のふたり。

まだ未来を漠然と夢見ているような私とは全然違う。

彼は彼女だけをずっと見ている。
彼女は、今を必死で見ている。
それだけ。

ふたりの未来を夢見ているような甘ったるい時期はとうに越えているのだ。
過去を顧みているのではなくて
過去に思いを馳せているのだ。

彼女の見つめる「今」に繋がるようにと。

死ぬときに私はどこに居るだろう。
誰と居るんだろう。
何をしているんだろう。
何を想っているだろう。

産まれてきたその瞬間から必ず訪れる「死」の日まで
私たちは毎日生かされている。

明日突然死ぬかもしれないのに。

それでももしも、たったの1人でも
全力で愛することが出来ていたなら
死ぬのなんて怖くはないのかもしれない。

私が毎日生きているのは 何のため?

愛だの恋だのなんてクダラナイ、と思う日々もあったけど
結局のところ、そのクダラナイ愛だの恋だのは結構な力を持っている。

故にその、クダラナイ事柄のお陰で人はとんでもない事をも成し遂げ得る。

この老人と、老女。
彼は彼女に物語を読む。
彼女に読むその声は優しくて
彼女は記憶を手繰る。

彼は何者なのか。
自分は何者なのか。

なぜこんな場所に居るのか。

彼は言う。
「ダーリン、頼む行かないで」と。

彼女は言う。
「誰よ、ここで何しているの」と。

だけど
あの頃に戻りたいなんて、そんな野暮な事は決して言わない。

たった一瞬の奇跡を待って。

今でも、愛しているから。
今この瞬間も、離れたくないから。

あなたが私を覚えてなんていなくても。

人は必ず歳をとり、衰える。
体力も、視力も、思考も、見た目も、なにもかも。

どんな風に歳を重ねて、例えお互いがどんな姿になったとしても

それでもまだ

「愛してる」 と言いたい。

「愛してる」 と言われたい。

最期の瞬間まで寄り添っていたい。

1番大切な人と。

そんな最期を遂げることが出来たなら
どんなに幸せで、どんなに美しいだろうかと。

死にゆく準備を整えるつもりはないけれど
不意に訪れるその瞬間に、悔いだけは残さないようにと
人を愛する心だけは忘れないようにと思いながら。



聞かせてよ。

いつの日にか私の為に

私たちだけの物語を

あなたのその優しい声で。

あなたのその温かい腕の中で。

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