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千の風になって

神重則

5.0

命の尊さを感じ、生きるチカラをもらった!

?難病の子どもの死、?家庭内暴力で母を自殺に追い込んだ女子高生、?働き盛りの篤農家のご主人の死と妻の物語。3つの死と編集者のひとつの生がオムニバス形式で展開されます。?、?はまだ若くして死に至ったので痛ましいです。?は夫婦愛に満ちた感動作 。 人は死ぬと風になるのですか?そして大きな空を吹き渡るのですか?そうではありません。肉体に魂が宿るのですか?そうですが、むしろ霊魂は時々肉体を持つと考えたほうが死を誤解せずに済みます。 現世の次は来世ですが、来世はゼロからのスタートとは限りません。現世の生き方の影響を大なり小なり受けるし、現世で克服できなかった課題を持ち越すことにもなります。 人間は死ぬと、霊魂だけが此岸、つまり家族の周りにしばらくはいます。少なくとも49日まではいます。その後、現世に未練がない人は先祖の霊魂に導かれて早々に彼岸(霊の世界)に本籍が移ります。ただし、現世でゆかりのあった人に用事があったり、遺族から呼ばれると此岸に一時的に戻ってきます。 ですから、最善の供養とは、故人の現世をしっかり認め受け容れてやること、できれば遺影に感謝の言葉をかけてあげてください。故人の使っていた部屋や遺品は整理しましょう。そうでないと、場合に寄っては故人が自分の死を受け容れないために、彼岸に渡りそびれて、故人にとっても家族にとっても好ましくない場合が生じる可能性があります。

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