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ピエロの赤い鼻
2004年10月9日公開

ピエロの赤い鼻

EFFROYABLES JARDINS

952004年10月9日公開

kih********

5.0

自分も『赤い鼻』を忍ばせておきたい。

 原題『Effroyables Jardins』(英語題は In Our Strange Gardens)のどこにも邦題の『ピエロ』も『赤い鼻』もない。  Jardins = gardens は、フランス(our)領なのにドイツ軍支配下である地域全体のことか。あるいは、捕虜・人質が放り込まれた所か、ピエロが道化を演じる所か。いずれにせよstrangeなのだ。  このstrangeな所でstrangeなことが起こった。勇気ある善行であったはずが、人を死なせてしまい、その死のおかげで自分が生かされることになった。本人としてはすべてが想定外のこと。  最近学校で「生きる力」という教育がなされているようで、それはそれで結構なのだが、学校外の社会はstrange gardensだから、そうそう簡単に「生きる」「力」が発揮できるものでもあるまい。想定外の幸・不幸、運・不運の度に、「どうして俺が…? あいつが…?」と、嘆き喚きたくなる。自分が不幸・不運な場合はそれで済むけど、そういう場合にも、ましてやその逆の場合には、「どうして俺は生かされていて、あいつは死んだ」とは考え難い。Strangeな心境になる。ほとんど考えもしない。  この男は、ピエロになって赤い鼻をつけて、精いっぱいの贖罪と恩返しに努めている、ようにみえる。自分も赤い鼻を持っておきたい、と思わされた。もう手遅れかな。

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