12日の木曜日
kak********
2.0点
イギリスのTV映画で前後篇合わせて194分の長編。 家族全員に動機があり、いつ殺人が起きてもおかしくない 状況の中、ドラマは進行する。 主演は、やはり犯罪を扱った有名なTVシリーズの 「第一容疑者3」のシアラン・ハインズ しかし、本作品は脇役で「普通の人々」や「ワンス・アポン・ ア・タイム・イン・アメリカ」などに出演のエリザベス・ マクガヴァンの演技が光る。 長編とは言っても、家族の葛藤をそれぞれの立場から繰り返し 描く手法を用いている為、観る者にとっては徐々に真相が 明らかになってくる仕組みだ。 こうした手法の良い所は、物事をある一面だけで判断する リスクを教えてくれる点だが、てっとり早く映画を楽しみたい 観客にとっては遠回し過ぎてイライラするかもしれない。 アメリカのTVシリーズ「LOST」も大勢の登場人物の 過去が一人一人紹介され、またかと思いつつ引き込まれて しまったが、こうした演出は脚本と配役が全てで、本作品も 出演者の演技力は悪くないのだが、物語の構成に深みがない 気もする。 共演では、「アクロス・ザ・ユニバース」のジム・スタージェス が一転して暗い影を背負った少年役で出ている。前半は、特に 目立った演技力は感じなかったのだが、後半に入るとなかなかの 演技で、将来が楽しみである。 いくつかの謎が交差して、真相が分かりにくくなっているが、 最大の謎は最後まで分からない。夜長に腰を据えてじっくり 楽しむのには格好のサスペンスである。
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