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ビフォア・サンセット (2004)

BEFORE SUNSET

監督
リチャード・リンクレイター
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  • みたログ 2,181

3.90 / 評価:676件

会いたい人がいる大人に贈る夢物語

  • Shoko さん
  • 2020年4月22日 1時16分
  • 閲覧数 459
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

先月リンクレイター監督のビフォアシリーズ三部作の一作目「恋人までの距離(ディスタンス):原題ビフォア・サンライズ」を見ました。

海外旅行中に出会った2人が1日で恋におち、再会を約束して別れていく話。
ナンパみたいなはじまりでも、たった1日でも、運命の人と出会うことがあるのはわかる、でも今の私には20代の2人に自分を投影して共感することができない、それにとにかく2人が延々と喋り続けるのをみているのが苦痛、と敗北。
評判がいいと聞いていたのでよけいに残念でした。

でもこの映画はここから時がたち、2人がどうなっていくのかが大切なんだから、一作目はまだ序章、とオープンな気持ちをもつことにしました。

そして昨日とうとう二作目の本作「ビフォアサンセット」を鑑賞。
ひと月おいたこともあって、9年後の2人にまた会えたのを嬉しく感じましたが、オンタイムでこの映画を9年ぶりに見た人は懐かしさもひとしおだったことでしょう。

若い頃の恋愛。いろいろな事情で別れたけれど、昔、大好きだった人はどうしているかな、なつかしいな、会いたいな、と思う人は世の中にたくさんいるはず。

そして本当に会えたらどうなるんだろう、あの人は変わったかな。まだ私を忘れないでくれるかな。まだ好きでいてくれるかな。なんてほのかな想いを抱いたり、その記憶を大切に、現実を頑張って生きている人だってたくさんいることでしょう。

でも大人になってしまうとそれぞれに事情があって、再会できたとしても、昔のように好きな気持ちだけで動くことができない。
そんな切ない気持ちは私も投影できる。

この映画は前作から続いた形で完成した、とてもリアルなラブストーリーだと思います。

一作目では退屈に思えた2人の長い会話も、今作ではいろいろな駆け引きや感情がまざるセリフに共感できます。
会ってすぐに愛し合いたくても、お互いに大人になってしまったから、試して確かめてためらって。
あやうくまた離れ離れになりそうになってのあのラスト。

よかった。でもここでハッピーエンドで終わらないのが、リンクレイター監督なんですね。
このあと9年後の2人を描く三作目を見るのが怖いような。
でも確かめなくては。

ところでこの映画の脚本には主演の2人も執筆に加わっているそうですが、この時イーサン・ホークがユマ・サーマンとの離婚問題の渦中にあったことを考えると、彼のセリフももリアリティが増します。
できちゃった婚だったとかいう話は、ユマとの実際の結婚でも同じだし。
彼が自分の想いを語っていたとして、ユマもこの映画をみたとしたら、彼女、傷ついただろうなぁ。
でもこの映画でのイーサンも、まだ34歳だったのに痩せて、とてもやつれているようにみえたので、ユマだけではなく彼も苦しんだことと思います。

それからこの映画がリンクレイター監督の実際の恋愛体験をもとにしているということ。彼女にこの夜のことを映画にすると話していたから、一作目のプレミアにあらわれてくれることを期待していたのに、あとから彼女が交通事故ですでになくなっていたのを知ったこと。
そんなもうひとつの物語があったことにもジーンときます。

若い頃に別れた2人の再会は、現実ではなかなかハッピーエンドにならないのかも。
リアリティにあふれていても、やはりこうなってほしいという夢物語なのかもしれませんね。
だからこそこの作品がみんなの心に響くのかな。

四つ星半。素晴らしい作品だと思いました。

詳細評価

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演出
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音楽

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