ここから本文です

草の乱 (2004)

監督
神山征二郎
  • みたいムービー 12
  • みたログ 39

3.60 / 評価:20件

日本映画の快挙!

  • 晴雨堂ミカエル さん
  • 2007年2月21日 10時41分
  • 閲覧数 384
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

 同様のテーマとしては、カーク=ダグラス氏主演の「スパルタカス」がある。古代ローマで実際に起こった剣奴の反乱を描いた作品であり、原作者は近代の市民革命や社会主義革命にダブらせて創ったともいわれている。
 この映画に触発されたメル=ギブソン氏が後に「ブレイブハート」を監督した。これもイングランドに植民地化されるスコットランドを救った農民が題材で、中世ヨーロッパの一農民が独立解放戦争を指導した実話である。
 この2つの映画を観て思ったのは、いずれも資本主義の権化で世界人民の支配者的立場のアメリカのハリウッド映画である。誰にでもウケる愛と暴力とスリルの娯楽大作を大量生産する国が、一方で被支配者に感情移入して革命モノを制作して大ヒットさせる。アメリカ映画の層の厚さを思い知らされた作品でもある。
 なぜ日本では「スパルタカス」や「ブレイブハート」のような作品が世に出ないのか、これが不満だった。日本史にも題材となるエピソードはごまんとある。自民党長期政権は「従順な日本人」のおかげとする学者が多い。「日本では革命は起こらなかった」とする学者もいる。しかし世界史的に見ても画期的な革命が無かった訳ではない。この映画にある困民党の蜂起がそれだ。
 先にあげたハリウッド映画と異なるのは、困民党を組織して死んで行った人々は奴隷でも貧農でもない。読み書きできる知識階級や地方官僚の担い手の元武士たちが主人公である。友人から聞いた事がある。「学生のころ左翼で初老の今は右翼文化人、ていうのは学生のころが貧乏だったからだ。しかし失うモノを抱えている人が全てを投げ出して闘いに挑む奴は信用できる」
 日本は明治維新からいきなり軍国主義になったのではない。明治の前半は教育勅語も帝国憲法もない。意外だが婦人参政権を認める自治体もあった。民主的な国になるか中央集権国家になるかの鍔迫り合い、せめぎ合いの時期があった。最初は特権を奪われた武士の反体制運動だったのが、平民(国民)主体の運動へと変わっていく。この映画はまさにその時の様子を描いたものである。

 DVDは出ないのか?

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • スペクタクル
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ