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姑獲鳥の夏
2005年7月16日公開

姑獲鳥の夏

1232005年7月16日公開

雪見だいふく

4.0

ネタバレ言われてるほど酷くはないという印象

原作未読で視聴しましたが、酷評されるほど分からないストーリーではなかったかな?と思います。 ミステリーホラーみたいなものって、見終わると話の筋が特にないその場その場のインパクトだけのものになりがちなので 本作はそういう感じではなかったと思うのです。 事の発端は 幻覚作用のある薬を製作して幼子をレイプした医者と見ることもできるし 世間体を気にして子供をおろさせて石でうちつけて見せた母親と見ることもできるし 名前をよく確認せず梗子の名前を書き間違えた牧朗と見ることもできるし なんだか怪しい雰囲気の涼子(京子)に誘われて(この時涼子は記憶がなかったようですが)体の関係を持った関口と見ることもできる 身篭った子供をおろすことになりよすがは牧朗だけだったのに、その牧朗は帰ってきて妹と結婚してしまうし 妹は牧朗を死地に追いやるわけです(とどめは自分でさしてましたけどね) 京極堂は涼子の多重人格による連続殺人と言っていましたが、涼子が登場人物に耐え難い屈辱を受け続けた結果なのだととらえました。 というかこうして見ると涼子が可哀想すぎますし、よく今まで狂うだけで自殺を踏みとどまれたなという感じですね。 関口と肉体関係があったことで、結果的には涼子から京子を引き出すトリガーになったわけですし 原因の一端を作りながら解決する術をもっていたのは関口だけだったのでしょう 序盤は関口は聞きかじった話を気にかける京極堂の助手的なポジションだと思っていたので、話にがっっつり関わってきてビックリしました 京極堂や榎津は分かってるならさっさと通報しろよみたいなコメントも見かけますが 警察のご厄介になったところで牧朗の死体は傷が多く(屍蝋化したとはいえ)劣化しており、子供達の亡骸も出生前の死なのか否か事後的に判断するのは難しいでしょうし、久遠寺姉妹の記憶もハッキリせず 殺人の立証は必ずしも容易ではなかったでしょう 何故そうなったのか、事の真相に迫り関係者それぞれの罪を明確にするためには京極堂の推理が必要不可欠でしたが 見ようによっては犯人不明で謎は有耶無耶のまま終わった方が平和ではあったと思います。 この辺りは関口と京極堂のやり取りにも現れていましたよね。 だから通報に二の足を踏んでいたのではないでしょうか。 映像的なことをいえば 姑獲鳥の描写とか、腹が裂ける描写とか、なんかこっぱずかしい印象を受けましたが 今やっても恐ろしく描写することは難しいんじゃないかというか、正解が見えません。 剣と魔法ものを実写化したら「アチャー」って印象が出がちなのとまぁ同じなのかなと ストーリーのことで言えば 確かに重要なワードがホイホイ出てきて聞き逃すと分からなくなってしまう感じはありましたね 他の方も言っていますが妹が想像妊娠に至った経緯はもう少し丁寧に描写してほしかったです。元々話の中核だった謎が最終的に雑に処理された印象を受けました。 京極堂がバシバシ真に迫ることができた理由もあまり分からなかったのですが、関口から話を聞いて安楽椅子探偵的に大体の事の顛末を推理していたということなんでしょうか。 まぁ結果として謎は解明されたので、ヒマな時に小説版でも読んでみることにします。 キャストについては 堤真一が中々のイケボでしたね 姑獲鳥の演出がチラついたあとに阿部寛が出てきて(TRICKみたいな話にならないかな…)と戦々恐々してましたが杞憂でした 京極堂の妹、やけに若い格好してましたけども昭和27年くらいってああいう感じなんでしょうかね。この辺の受け止め方はテキトーです。 肝心の涼子/梗子はダブルキャストだったわけですが、エンドロール見るまで気付きませんでした。 双子設定あるわけでもないだろうに何故… 薬物中毒で死んだ元看護士も死体だけマネキンでしたし、なんか予算あんまなかったんですかね いずれにしろ、見てられないほど酷い演技の人はそこまで居ませんでした。 久遠寺の父親だけなんでこんな棒読みなんだと思いましたが… トータルして、☆4です。 2005年公開当時はもっと水準の高い映画に溢れていたのかもしれませんが 近頃の映画ばかり見てる身としては、本作は別に悪くなかったかなと思います。 人に勧めるかといわれるとやや消極ですが…

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