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亡国のイージス (2005)

監督
阪本順治
  • みたいムービー 80
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2.76 / 評価:610件

解説

日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞・大藪春彦賞の3賞を制覇した福井晴敏の人気小説を総製作費12億円で映画化。監督は『この世の外へ クラブ進駐軍』の阪本順治。出演は『半落ち』の寺尾聰、『ラスト サムライ』の真田広之、『海猫』の佐藤浩市。防衛庁、海上自衛隊、航空自衛隊の協力を得て実現した本物のイージス艦や実物大のオープンセットを建造しての映像は圧倒的なリアリティと迫力を持つ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

国家に反旗をひるがえしたイージス艦副長・宮津二佐(寺尾聰)は、全ミサイルの照準を東京首都圏内にあわせる。国家への復讐(ふくしゅう)に燃える宮津から艦を取り戻すために、先任伍長・仙石(真田広之)は、過酷な闘いに挑むが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2005「亡国のイージス」associates
(C) 2005「亡国のイージス」associates

「亡国のイージス」ストーリーと演出がすれ違った「いびつな映画」

 2時間程度で、あの分厚い原作の優れた映画化など望めない。映画用に咀嚼された物語だと割り切って観るしかないが、人間関係はかなり整理された。いびつな映画である。ストーリーがハリウッド的展開を志向していながら、演出はカタルシスを与えない乾いた映画を目指している。すれ違いは、亡国をめぐる捉え方にある。原作者が繰り返す“平和ボケ日本”をめぐる、リセットか現状肯定かといったテーゼは、あくまでも壮大なサスペンスを仕掛けるためのモチーフだ。思想性は薄く、アニメ世代のロマンを作動させるきっかけにすぎない。だから本来、「ローレライ」や「戦国自衛隊1549」のようなファンタジーでこそ福井原作は活きる。

 ところが阪本演出は、有事において日本人はどんな行動を取るのかという人間観察に興味があるようだ。それゆえ、脂の乗り切った熟年&壮年俳優たちの逡巡と決意がこの映画の見どころになっている。原作者の妄想の中では、イージス艦も東京も壊滅させてみたいのだろう(「新幹線大爆破」のように!)。しかし監督はそうはさせまいと、防衛庁協力の下にCGなしのリアルなイージス艦を現出させてしまったのではないか。この異種勾配は成功とは言いがたい。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2005年7月31日 更新

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