約三十の嘘 (2004)

本作の原作は土田英生の舞台作品。
３年前のある事件以来，再び終結した詐欺師グループのお話。

元リーダーで，３年前の事件以来 腑抜けになってしまった志方（椎名桔平）をはじめに，
宝田（中谷美紀），佐々木（妻夫木聡），久津内（田辺）。
それから宝田が連れてきた新メンバーの横山（八嶋智人），
そして３年前の事件に深く関わる今井（伴杏里）。

物語は，北海道での仕事へ向かうところから始まり，
仕事を終えて，帰り道でのあれこれを描いたもので，
ほとんどが，彼らが乗っているトワイライトエクスプレス車内でのやりとりになっています。
もちろん“仕事”の描写は一切出てきません。
詐欺師同士が騙し合い，腹を探り合う事だけに集中して描かれています。

「俺と逃げよう」という往年の決め台詞を気持ち良くかました 男と女の駆け引きがあったり，
詐欺師のくせに「仲間でしょ」「信じ合おう」と主張する彼らが滑稽で面白い☆
どんな人間でも，愛する誰かだったり，信じられる人が居ないと 強くなれないのかもしれないですね…

また徐々に明かされていく，３年前の事件の真相と，その裏に隠された人間模様。
それが……
あんまり深くなくて，思ったほど驚けない（汗）。

今井のイラつく位の悪女っぷりは凄かったけれど，
肝心の『約三十の嘘』がイマイチ活かされてなかったような…。

期待していた詐欺師の騙し合いは微妙だった。
呆気にとられる位 予想外の展開に，借りるＤＶＤ間違えてしまったのかと思う程。

騙された…
私も騙されてしまったのか，この詐欺師達に…
でも何故か憎めないんだな，この二流詐欺師達を☆