流星胡蝶剣

流星・蝴蝶・劍/KILLER CLANS

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流星胡蝶剣
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)

かっこいい25.0%勇敢25.0%切ない25.0%知的25.0%

  • xi_********

    3.0

    武侠片にも色々ある

    日本人には馴染みの薄い武侠片。 まあ、平たく言えば時代劇の一種です。物凄く乱暴に言えば、これが徒手空拳のカンフー劇となれば、それは香港・広州に代表される南方文化に根ざしたもので、チャンバラ劇は北京を中心とした北方文化に根ざしたもの。 とは言え、北京人だってカンフー映画を見るし、香港人だってチャンバラ劇は大好き。つまるところ、中国において、武侠片ってのはそれなりの需要があるジャンルだと言うことです。 さて、60~70年代に香港映画黄金期を創出したショウ・ブラザースには、胡金銓(キン・フー)、張徹(チャン・チェ)と言う人気監督が在籍していました。武侠片のファンなら、彼らふたりをこのジャンルの巨匠と認識しているでしょうが、もうひとり、その序列に加えるべき人物がいることにお気付きのはず(笑) そう。本作の監督である、楚原(チュー・ユアン)です。 芸術の胡金銓と商業性の張徹に対し、楚原はこの両者の特徴を程よくミックスした様な作風。独自の映像美学を誇る胡金銓ほどの拘りを感じさせない一方、スター起用に固執する張徹の様な大作主義も感じさせない楚原の演出は、アンサンブルによる武侠活劇、或いは策謀劇を展開させるのが特徴で、先のふたりほどに灰汁の強さがない分、意地悪に言えば、地味な印象を与えます。 この『流星胡蝶剣』もまさにそんな一作。 演出意図なのか、それとも資金的理由からなのか、本作でも有名スターの起用はほとんどありません。出演陣で有名なのは、岳華(ユエ・ホア)、或いは谷峰(クー・フェン)、羅烈(ロウ・リエ)程度のもの(それも強いて言えば)。ショウブラ・ファンなら思わずニヤリとしてしまう配役も、正直、圧倒的大多数の日本人には何が笑える要素なのか解らないのではないでしょうか(皮肉ではなく)。 物語は、楚原がコッポラの『ゴッドファーザー』を意識したと言う通り、大勢のアンサンブル・キャストを駒の如く動かし、江湖(渡世)における裏切りの連鎖を描いた武侠策謀劇です。裏切りの物語なので粗筋には触れませんが、本作の醍醐味は、その他多くの武侠片とは違い、武芸者たちの対決によるアクションではなく、組織の中の策謀によるサスペンスにあります。 これが結構バカに出来ないんです。 (好き嫌いはあるでしょうが)楚原の演出は、かなりテンポが良い。 胡金銓の様な“溜め”を設けることもしないし、張徹ほどに“観念的”でもない。 集団策謀劇と言う、結構見る方からすれば面倒くさい物語をシンプルに展開させているし、しかも、策謀劇の末に真の裏切り者が判明してからは、ちゃんと(一応?)武侠片本来の醍醐味でもある剣戟シーンを用意してくれてもいます。 1976年製作の、スター不在の武侠片なんてのをどれだけの人が見たがるのか。 実際、この映画が現代の日本で(特に若い世代に)受けるとは、正直に言えば、全く思っていません(苦笑) 単に、「こんなの古臭いよ」の一言で片付けられる可能性もあるし、「単なる時代劇じゃん」と言われる可能性もある。 それは重々承知してますが、だからと言って、そんなつまらない先入観で面白い映画を見逃すことほど、勿体ないことはない。 『グリーン・デスティニー』、『HERO』、『セブンソード』等々、2000年代以降には、国際化した武侠片も多数発表されましたが、本作は根本的にあれらの作品群とは趣を異にしています。 同じ武侠片だからと言って、同種の映画と考えるのは禁物。 如何に私個人が本作を気に入っているとしても、それだけで一見を薦めるつもりはないですが、少なくとも、武侠片の魅力にも色々ある、と言うことだけは言わせていただきたいと思います。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
流星胡蝶剣

原題
流星・蝴蝶・劍/KILLER CLANS

上映時間

製作国
香港

製作年度

公開日
-

ジャンル