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理由 (2004)

監督
大林宣彦
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2.79 / 評価:313件

x=映画(ドキュメンタリー(ミステリー))

  • @tkitamoto さん
  • 2020年5月8日 0時00分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

アマゾンプライムビデオにて鑑賞。
今まで未見であったが、大林宣彦監督によるドキュメンタリー的ミステリーということで、視聴した。
ワタシは80年代の大林作品にどっぷりはまったが、「水の旅人 侍KIDS」最後に長い間未見の作品が続いた。
近年「この空の花〜長岡花火物語〜」を見てから、ふたたび大林ワールドにハマったクチである。
先日、監督は亡くなったのだが、可能なかぎり未見の作品を見直さなければという想いがある。
だが、フィルモグラフィーを見返せばあきらかに90年代、2000年代の作品は80年代の大林作品を愛する者にとっては、興味を持てぬ作品群が多いのは否めない。
未見の作品たちにケチをつけるのはいけないので、まずは観る必要がある。
というわけで、「理由」を観た。

この映画、低評価が多いのは、なぜか?
ミステリー映画というジャンルで捉えるならば、展開がダラダラしている感が否めない。
登場人物が多いゆえに、各人の話を結びつけるのがやや困難である。
TVのドキュメンタリーカメラが撮影しているという設定で登場人物がカメラ目線で語るが、不自然なカメラワークが多用される。
…など、実験的な手法であるがために、こちらがついて行くのが難しいというのが、その理由だろうか?

カメラもおかしなところがある。
本来、ドキュメンタリーを撮影しているはずなのだが、明らかにそのような感じがせず、観客に直接語りかけるような場面もある。

すべてが実験的でありつつ、このように映画として完成させてしまう手腕はさすが大林宣彦と言わざる得ないだろう。
何度も見れば、より面白く観られもするはずだ。

見方を替えれば、2020年という作品制作後10年以上経過した現在に鑑賞したとき、出演者それぞれの素晴らしさを堪能できる。
亡くなった「立川談志」「永六輔」が僅かではあるがいい役どころで出てくるし、若き日の「宮崎あおい」「多部未華子」も印象的である。

懐かしの「裕木奈江」には驚いた。
「加瀬亮」にはこの役がハマっていて、今もその幻影から逃れていないとさえ思える。

空とマンションなどをモチーフにした風景が堤幸彦風の短いカットの連続で挟み込まれるが、単なる風景カットではないのは、明らかだ。
意味しているわけではないのだが、殺意を暗示しているかのようだ。
この風景をみたものは、事件と関わっていると言いたげだ。

もしワタシがこの映画のプロデューサーだとしたら、「もう少し、わかりやすく」とか言っていたに違いない。
この映画は誰をターゲットにしているかが不明である。
原作の宮部みゆきファンではないし、大林宣彦ファンでもない。
まあ、新しいモノ好きの映画ファン?向けということになるだろうが、最後に小説化され、映画化されというのはマニアックすぎるわけだ。

だが、この映画の説明でドキュメンタリー的な手法で撮られた映画という説明は間違っている。
「ドキュメンタリーもどきの手法」というのが正確なのだが、これではこの映画のキャッチコピーにはならないわけで、それが低評価にならざる理由にも結びつく。

とはいえ、この映画がこのように完成されているということは、大林宣彦マジックというべきで、これだけの登場人物がそれぞれ個性的に出ているということだけでも価値ある映画だ。
全く種類は異なるが、ジャック・タチの「プレイタイム」のように、何度も見れば、細かいトリックが隠されているかもしれない。

それにしても片倉信子(片岡ハウスの娘)が最後、傘を持って交番へ飛び出すのはなぜだろうか?(最初のシーンに繋がっているわけだが、)
雨が降っているわけでもないのに…。

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