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自由戀愛 (2004)

監督
原田眞人
  • みたいムービー 29
  • みたログ 85

3.45 / 評価:29件

妻と妾の座が替わる時

  • movie oyaji さん
  • 2007年4月26日 23時15分
  • 閲覧数 846
  • 役立ち度 22
    • 総合評価
    • ★★★★★

『一盗、二卑、三妾、四妓、五妻』

読めますか?  意味わかりますか?
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激動の時代と言われ歴史上短かった大正時代。とても惹かれる時代です。
ちょうど皆さんが大好きな映画の前身である「活動写真」が世に出るのもこの時期ですね。
新しい女性の時代。大正ロマンの風に乗って自立と自由を求めた女性たちの華やかさが漂う反面、大正女性の悲哀さを浮き彫りにしていきます。
愛と仕事という女性の永遠のテーマを扱った作品。
そしてそこには、信じられない程の魅力的に神秘な世界がありました。

『世の中には相容れないものがあるって思うの。相容れない2つのものから1つを選ばなければならない時間って確実にくると思うの』と女は言う。
『相容れない2つのものを繋ぐ人間だっているじゃないか。一方がいなくなったら僕は壊れてしまう・・・』と男は言う。
何不自由なく副社長婦人として生活を送る明子(長谷川京子)は女学校時代で御学友の清子(木村佳乃)の離婚という不幸を知って不憫に思い自分の夫である優一郎(豊川悦司)の会社へと招く。
ここから狂いだす運命・・・・・。
優一郎は妻明子とは違う顔を持つ清子に惹かれていき、明子、清子2人のどちらを選ぶわけでもなく2人共々愛情を注いでいきます。
これを優柔不断と見るか、はたまた優しさと見るものなのか。大正時代ならではの妙であります。
やがて2人の女がお互い対抗し合い優一郎に対する愛情表現や意識し合うさまが見事に描写されてきます。
正妻、明子は子宝に恵まれない・・・・・そこに妾の立場の清子が妊娠。
ついには正妻の座を追われた明子に替わり、身ごもった清子が正妻の座へとすわるのでしたが・・・・・。

大正9年古式ゆかしき日本文化と西洋文化が交じり合う時、華やかに光り輝く自立する女性の心理を、美術・セット・衣装・小道具・メイクを通して一級品に仕上げています。よほど時代考査の研究をされたのでしょう。原作、監督、役者たちが見事に息を合わせ描かれています。
そんな大正女性の輝きを本作では存分に魅せてくれた「長谷川京子」と「木村佳乃」の完璧な演技をお伝えしたい。
最近のある作品を通して「美貌だけで演技がともなわない女優」と酷評だらけの「長谷川京子」が体当たりで大正女性を演じきりました。どこか神秘のベールで包まれた大正時代の女性をくまなく表現しきっていると思います。驚きました。
一方「木村佳乃」は、大好きな女優さんでもありますが、幸薄い清子をものの見事に変貌を遂げさせるさまは圧巻でしたね。
そしてこの2人に絡む「豊川悦司」美男、美女たちのキャスティングとなれば後は作品に酔うだけになるでしょう。

この作品の大正という時代背景、そして配役陣から三角関係が正当なものに見えてしまう嫌いがあります。私はあえて現代のそれも身近の人物に首を据え変えて自分の事のようにして観てみたところ・・・・・背中に冷たいものが・・・・・。
この映画を観る女性のあなたはこの時代のこんな殿方になら生まれ替わってみたいと思うはず。必ずや。
そして私は改めて女性の素晴らしさを確認し本作の女性たちを誉め称えるのだけではなく、私自身、女性として生きてみたくなった瞬間でもありました。
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日本には男の性癖を言えてたくみな表現があるという
 一盗(いっとう)・・・一番目は、人から盗んだ女
 二卑(に  ひ)・・・二番目は、端女・はしため・使用人
 三妾(さんしょう)・・三番目は、妾・めかけ
 四妓(し  ぎ)・・・四番目は、娼婦
 五妻(ごさい)・・・・五番目は、妻
要は男には5種類の女がいてこそはじめて社会的に認可されるとした当時の勝手極まりのない解釈のしかたでした。
こんな解釈が優一郎の頭の中にうごめいていたとは思えませんが、本作でも優一郎の2人の女性に対する揺れる思いにはとても共感できるものでした。
いや~でもこの野望に満ちた男の心は、昭和、平成の時代へと確実に移行しているものでしょう。少なくとも私はそう思えてなりません。

愛との葛藤の末、自立していく女性像をぜひ観ていただきたい。
特に女性の皆さんに・・・・・大正を象徴する映像と音楽とともに。

詳細評価

物語
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