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キャビン・フィーバー
2005年4月23日公開

キャビン・フィーバー

CABIN FEVER

932005年4月23日公開

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4.0

展開は無理矢理でも結構怖い・・・

「ホステル」シリーズでなかなかエグさを追求した映像で楽しませてくれたイーライ・ロス監督。デビッド・リンチの愛弟子で、クェンティン・タランティーノのお気に入りでもあるこの監督のデビュー作が本作、 今日のお題目は「キャビン・フィーバー」です。 ”キャビン・フィーバー”とは、僻地や狭い空間で生じる異常過敏症の意味。早い話がこの映画、 「死霊のはらわた」+「遊星からの物体X」+「アウトブレイク」 といったところです。 男3人に女2人が森の小屋でのキャンプを楽しみ為にやって来たという設定。この手の話には王道ともいえるありふれたものですw。 楽しい一時も束の間、そこに現われたのが、全身から出血する奇病に冒された血だらけの男。感染源は一切不明ながら、その症状はエボラ出血熱と酷似しており、当然伝染病というわけです。5人は男を撃退(火だるまにして追い払うって酷過ぎですがw)するのだが、翌日仲間の一人のカレンが同じ症状を発症してしまう。残りの4人はカレンを隔離するのだが、他の者も感染しているのではないかと、互いに疑心暗鬼となっていく。まるで感染症の症状と同じように、ドロドロに朽ち果てていく友情の結末は・・・。 とまあ、大筋はこんなストーリー。 スプラッター・ホラーの1作であることは間違いありませんが、人体破壊を主眼に置いた他の作品と違い、血みどろとはいっても感染した症状や、感染者の吐きだす血飛沫といった描写が中心であり、さほどグロいという印象は受けません。どちらかというと笑いを取るスプラッターではなく、真剣に観客を怖がらせる作品に作られています。 この物語の一つの特徴は、「死霊のはらわた」や「遊星からの物体X」のように閉塞的な舞台の話とはちょっと違うということ。 お前ら何なんだというような、狂い気味の雑貨店の店員たちや、これまたわけわからん若い警官、近くで同じくキャンプをしている若者の一団など、主役の5人に絡んでくる外部の人間がたくさん出てきます。彼らを物語に絡ませることによって、重苦しい物語であることは確かだが、単純に疑心暗鬼をメインとした張りつめただけの映画ではなく、スケール感を出そうという作り手の意思を感じます。 しかしそれ故、突っ込みどころは満載。まず季節感がメチャクチャ。キャビンのある山々は既に紅葉の真っ最中なのに、湖で泳いでますしw そして、頭のおかしなパンケーキボーイのカンフー攻撃にも唖然。しかもこれに端を発し、バートを殺そうと追いかけ始める3人の店員の心理もまったくもってわからない。細かな背景などどうでもよく、ただ話を面白くさせるために無理矢理な展開に持っていく技法は、「13金」などのおきまりの映画ならともかく、まじにホラーに仕立て上げようとしているこの作品には、正直いただけません。 反面、主役の5人の若者の描写は丁寧に描かれています。最初は口数少なく地味な存在のポール、後半は自分の身を守るべく最強の男となって殺しまくりw。 反対にまさに俗物というような人物のジェフの描き方。「ナイト・オブ・ザ・リビングッデッド」とそっくりな彼の結末は妙に納得。 そしてKY的なキャラ、バート。特にこいつの言動が面白く、ある意味ストーリーの牽引役となっています。 カレンとマーシーの女性二人にしても、最初ヒロインぽいカレンが初めに発症してしまい、お約束のH要員のマーシーが意外にも(!)頑張る姿など、いい意味で期待を裏切る展開です。 イーライ・ロスのデビュー作であることから、作品全体からすれば、まだまだ荒削りでいきなりな展開に??と思えるところも多々ありますが、”怖さ”だけを考えればなかなかよく出来ていて、結構楽しめると思われます。 そういえばロス監督が最初に5人のキャンプを訪れる若者役で特別出演していました。その後、意味不明に死体となって再登場しましたが(笑)

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