2005年10月15日公開

そして、ひと粒のひかり

MARIA FULL OF GRACE

1012005年10月15日公開
そして、ひと粒のひかり
3.8

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(43件)


  • 一人旅

    5.0

    そして少女は運び屋となった

    ジョシュア・マーストン監督作。 麻薬の運び屋となったコロンビア人少女の運命を描いたサスペンス。 本作が映画初主演となったコロンビア・ボゴタ出身:カタリーナ・サンディノ・モレノがベルリン映画祭女優賞を受賞したアメリカ/コロンビア合作による“社会派+少女奮闘サスペンス”で、コロンビアの田舎町で家族と暮らしている17歳の少女:マリアが知人からの誘いを受けて、麻薬を胃に詰めてアメリカまで密輸する運び屋となる姿を描いています。 妊娠中のヒロインが生活苦を理由に麻薬の運び屋となるものの、いくつものトラブルと危険が彼女を待ち受けていて―というサスペンスフルな物語で、麻薬を詰めた親指大の包装を数十個も呑み込んだ上で、南米コロンビアからアメリカ・ニューヨークへの麻薬密輸に手を染めるヒロインの運命を見つめています。 南米における貧困や麻薬の蔓延を背景にした社会派サスペンスで、麻薬組織が実際に用いる―“麻薬を胃に詰めて密輸する方法”が生々しく詳細に描かれています。麻薬の前に葡萄の粒を呑み込む練習をする光景や、「胃の中で包装が破裂したら死ぬ」という先輩運び屋の恐ろしい言葉、麻薬を掠めたら家族に危害が及ぶことを匂わせた元締めの警告、さらには密輸先のアメリカで麻薬の受取り相手によって監禁された状態で数十個の包装を“排出する”光景等、薔薇農場を辞めて一転、麻薬の運び屋となったヒロインが初体験する不安と緊張と恐怖の日常をリアルに映し出しています。 南米から北米への麻薬密輸の実態をその一端を担うコロンビア人少女の視点により暴き出した衝撃作で、身重の少女が下す最後の決断には、貧しい人間が貧しさから抜け出せない現代のコロンビア社会に対する失望と訣別の念が顕著に表れています。

  • dkf********

    4.0

    犯罪大国の現状を描くラテン系映画の秀作

    サッカーワールドカップで2大会続けて日本代表と戦ったことで、日本人にも一躍身近な?存在になったコロンビアだが、今まで映画というのは観た記憶がない。これはおそらく日本で初めて公開されたコロンビア映画かもしれないが、実に忘れがたい秀作となった。 生きていくために麻薬の運び屋(ミュール=ラバ)となった17歳の少女マリアの初仕事の顛末をドキュメンタリーのような生々しい映像で綴っているが、そのミュールの恐るべき実態に思わず絶句してしまう。映画そのものはフィクションだが、こういうディテール部分は実話を元にしているそうで、ブツの運び方の壮絶さにはショックを受けた。コロンビアという国の厳しい現実を思い知るが、終始重々しい展開だっただけに、マリアが生きる希望をつなぐ光を見出したラストにはホッとする。 以前からコロンビアには麻薬にギャングに犯罪大国といった修羅の国的マイナスイメージばかりが付きまとうが、実は「美女が多い国」としても有名な一面を持っている。ググればたくさんこの話題は出てくるが、その美女の国が生んだ主演のカタリーナ・サンディノ・モレノはオーディションで選ばれた新人ながら、目鼻立ちの整ったやっぱりなかなかの美形。役どころもあって垢ぬけてないところはまだまだダイヤの原石、いやコロンビアの名産エメラルドの原石と言うべきか。 このあと見事に磨き上げられて、ハリウッドで女優として活躍しているからたいしたサクセスストーリーだ。 監督がアメリカ人だし、製作には米国資本も入っているようだが、ちゃんとセリフがスペイン語なのも好印象。この話で登場人物が皆スペイン語訛りの英語を話されては当然この高評価はなかった。 ラテン系映画の隠れた秀作と強く支持したい。

  • 柚子

    4.0

    麻薬国家、コロンビア

    麻薬で成り立っていると言っても、過言ではなさそうなコロンビア… 真っ当な仕事は少なく、当然、薄給 17才のマリアに、家族、全負担がのしかかる おまけに、妊娠中… 手っ取り早く大金を稼ぐには、麻薬の運び屋しか道がない 元締めも、その手下も悪いことをしているという認識はないようだ゛ 麻痺しているんだろうね… コロンビアの若い女性たちは、麻薬の袋を飲み込んで、アメリカへ入国する コロンビアから来た~と言うだけで、要注意人物扱いだが、その検閲は生ぬるく、簡単にアメリカへ入国できてしまう実状に驚いた 麻薬の袋が、胃で破れて、命を落とす人がいても、自業自得で、誰も気にしない 中途半端な正義感で、イラつかせる主人公マリアだけど、まだ17才 17才の少女が背負うには、重すぎる コロンビアで、子供を育てるのは厳しい… 貧しくても、アメリカならば、まだなんとかなるだろう 麻薬の入った「粒」と、赤ん坊を「ひと粒の光」と、掛け合わせる皮肉 心が、痛い

  • oce********

    4.0

    胃がキリキリする

    コロンビアで生まれたマリアは17歳で一家の家計を受け持つ事情。 私生活にも問題が起き、遂には高額の不正な仕事に手を染める。 それは麻薬の運び屋だが、自分の胃に麻薬を隠して運ぶという仕事。 冗談みたいな手段だが、実際にこれは行われており国際問題に発展するほどの出来事。 当然運び入れるのだから、そこにサスペンスが生まれないはずがない。 その運び屋に至るまでの過程にも実は伏線が敷かれており、それによって危機を回避するというのは皮肉だ。 ラストのマリアの表情は色々な思いを巡らせて、根深い問題の重さを痛感させる。

  • chi********

    4.0

    ネタバレ社会派ドラマ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • jir********

    4.0

    ネタバレなぜ貧しい地域の人が子をたくさん産むのか

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • so_********

    4.0

    運ぶのもダメ、ゼッタイ。

    実際にコロンビアで深刻な社会問題となっているドラッグミュールの実態が、 非常にリアルに描かれており、ドキュメンタリーの様でした。 ドラッグミュールとは、運び屋というと簡単な言葉になりますが、 麻薬を飲み込み胃の中に入れ密輸するという、死に至ってしまう事もある非常に危険な犯罪なのです。 見るからにいかにも!な人物ではなく、 本当にただ普通の、まだ17歳の少女が 貧困に苦悩し苦しい状況の中、それを選んでしまうのです。 そんな過酷な状況の中でも、強く懸命に生きています。 マリアを演じたカタリーナ・サンディノ・モレノが美しく、 ひと粒のひかりを感じながらみせた、 病院での優しい笑顔、空港での決意をもった強い表情、 素晴らしかったですね。 観ていて本当に心苦しくなってしまう映画ですが、 と同時に、 たまたま日本に生まれ育ち、普通の幸せを感じながら生きていられる事に 改めて感謝ができる映画でした。

  • nic********

    5.0

    歴代最高に、素晴らしい邦題!!

    他のレビュアーさんにも同じことを言っている人が多いが、ホントにこの邦題、素晴らしいよ!! 内容とのリンクのさせ方が絶妙だし、日本語としても美しく、感動すら覚えます!! 映画内容だけなら★4つにするところだが、邦題の素晴らしさに、★+1して★5つ!! 最近はセンスの全くない、「原題のままの方がはるかにマシだろ」的なヒドすぎる邦題が多いので、この映画の邦題をつけた人には、”邦題つけます業”をフリーランスで立ち上げてほしい!! 映画自体も、特に欠点のない、いい映画だった!! とことん冴えない友達の存在に、少々イライラさせられたが、爽やかで前向きな主人公との対比としては、必要不可欠な、よいキャラクターだったし。しかしこの主人公役の役者、いいコを見つけたなぁ。表情だけで奥行きのある演技ができるし、何より瞳が魅力的。とにかく引き込まれました!! 目の前にいたら、俺ァ間違いなく惚れるな!! しかしこの映画を観ると、コロンビアっていう国は救いようのない、ヒドいところだと捉えられかねないが、いやいやなかなか、いい国でしたよ(滞在歴あり)!! 危険だっていうのは、たしかに他国と比べればその通りで、それなりの警戒心は必要だけどさ。国民性として、みんなとても明るく陽気で、フレンドリー。けっこう英語もイケルし、とても居心地はよかったです。麻薬だらけなのはアメリカやヨーロッパだってそうだし、ここまで麻薬に寛容でない国は、日本くらいなもので。覚せい剤には、どこの国も厳しいけどね。いや僕は、麻薬に興味はないけどさ(タバコすら吸わないくらいなんで)。”麻薬が蔓延=怖い国”という認識では、どこにも旅は行けません、という話です。

  • dar********

    3.0

    ドラッグ・ミュールの背景

    ドラッグの運び屋をドラッグ・ミュールという。 貧しさのために、ミュールとしてドラッグ密輸を行う決心をしたコロンビアの17歳の少女を描いた話。 といっても何もドラマチックな話ではなく、お金のために、家族を養うために、麻薬を飲み込んでアメリカに運ぶという淡々としたリアリティ溢れる映画。 麻薬密輸人というと、何か特別な、私たちには無関係のような話のように聞こえるが、実際は貧困から普通の人がミュールをするのが王道となっている。麻薬組織にとっても、運び人が万一捕まっても、とかげのしっぽ切りをすればいいだけなので足もつかないし、都合がいい。 麻薬の運び屋にしろ、売春にしろ、その背景に貧困があることが分かる。

  • tsu********

    4.0

    麻薬ビジネスが日常にあるコロンビア

    需要と供給のビジネスモデルがリアリティーを持って描かれていて勉強になります。 マリアの女性が体を売る職業のオータナティブを緊張感をもって演じて、見ごたえがあります。 必見の星四つ。

  • jun********

    3.0

    ネタバレ生まれ来るわが子に光を与える唯一の方法…

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • shoko

    4.0

    麻薬密輸の悲劇

    コロンビアの農産物というとすぐにコーヒーが頭に浮かびますが、世界第二位の切り花輸出国でもあるということは知りませんでした。 日本の輸入カーネーションの七割りはコロンビア産だとか。 映画の冒頭で 17才のマリアが家計を支えるために切り花の加工工場で働くシーンをみて、私たちが何気なく買っている切り花の背景に想いを馳せました。 さらに知らなかったのはコロンビアが世界最大のコカイン生産国だということ。 この映画はマリアがミュール (麻薬を胃の中に飲み込んで密輸する運び屋)となる決意をしてニューヨークにむかう過程を描くことで、コロンビアの深刻な社会問題を浮き彫りにしています。 リスクの高さはわかっているはずなのに、どんな人が運び屋になるんだろう、と思っていましたが、その背景には貧しい地域に住む人たちのどうにもならない現実がありました。 コンドームやカプセルにいれて飲み込んだ麻薬が体内で破裂して死ぬこともあるのに、それでも運び屋になる選択をする人々に、ただ自業自得とはとてもいえない、悲しい現実。 弱いものにつけこむなんてなんて非道。 それにしても同じ手口ばかり使っていたら、捕まるのも当然では、と思っていたら、2006年にはラブラドルレトリーバーなどの子犬に外科手術をしてお腹の中に袋入りのヘロインをいれて密輸しようとしていたグループが摘発されたとか。 あんまりですね。 さてこの映画はその悲惨な事実を描きながらも、ヒロインのマリア役のカタリーナ・サンディノ・モレノのとてもまっすぐでフレッシュな魅力のために、ただのダークな残酷物語におわらない希望を感じさせてくれます。 新人女優なのにコロンビア人としてはじめてアカデミー主演女優賞にノミネートされたという快挙。 彼女の新鮮な美しさは、ロミオとジュリエットではじめて15才のオリビア・ハッセーを見た時のようです。 最後のマリアの選択には、誰もが応援したい気持になることでしょう。 そしてそれはコロンビアの麻薬密輸組織撲滅を皆が願う気持につながります。 この映画の製作は2004年ですが、その後状況が改善されていることを祈ってやみません。

  • jaz********

    4.0

    ネタバレ9点:マリアの人物造形が良い

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • vir********

    5.0

    "Maria Full of Grace"

    まずは邦題に拍手。聖母マリアを連想させる原題"Maria Full of Grace"からの脱却を試みた大胆な発想と物語の内容に則したキーワードの挿入、そして句読点さえ用いた詩的なスタイリング。原題以上によいと思える邦題など普通はありえないので、このタイトルを考えついた担当者には感服する他ない。 もちろん、邦題が光るのも素材の素晴らしさあってのことだ。日本では公開されることすら珍しいコロンビア産の本作はとびきりスリリングで胸に迫る素晴らしい傑作だ。1000の実話から構成されると銘打った作品だけにリアリティには事欠かない。主人公マリアが働くバラ農園での過酷な労働からコロンビアの若者たちのライフスタイル、麻薬のパッケージ工程まで、監督のジョシュア・マーストンは常にディテール描写にこだわった場面作りを試みているように見える。 マリアが日常に閉塞感を覚え、愛してもいない恋人の子供を身篭ったことをきっかけに麻薬の売人へと転身していくという導入部は、きちっとした映画文法の中で語られる分ありきたりな印象を与えるが、その後は息をもつかせぬサスペンスの連続で見ているほうは最後の最後まで気を抜くことを許されない。マリアたち運び屋が社会にとって有害な存在であるという大前提は百も承知ながら、彼女たちの無事を祈り、いつしか深く感情移入していることに気付く。それは即ち、彼女たちの過ちを許し、現実として横たわる麻薬問題を如何ともし難い解決不可能なものと認めているのと同義だと悟り戸惑いを覚える。主人公を聖母マリアに見立てたマーストンの狙いは当然そこにあるのだろう。観客はわかっていてもその術数から逃れることは出来ない。 マーストンの脚本は非常に計算高いが、中でも極めつけはマリアの妊娠を巧みに物語に織り込んだことだ。導入部で"ありきたり"と判断されかねない妊娠というきっかけが、実はその後の物語を大きく左右するものとなるあたりは、その構成の見事さに感心してしまう。つわりで吐き気をもよおすマリアが、その"弱点 "によって致命的なミスを犯すことになるのではないか、と誰しもに予想させておいて、実は妊娠がマリアの身を助けることになるという伏線の妙。さらにお腹の中に芽吹いた命は、マリアの将来をも左右する大きな存在となるのだが、そのマリアの決断に説得力を与える構成がまたお見事だ。1000の実話から構成されながら、それに頼り切ることなく、クリエイターとしての創造力も遺憾なく発揮する。マーストンは類稀な脚本家だ。 そしてマーストンの書いた素晴らしい脚本に命を与えたのがマリアを演じるカタリナ・サンディーノ・モレノだ。どんなときもまっすぐに相手の目を見据える力強い視線が印象的で、マリアというキャラクターの芯の強さを十二分に表現していた。その美貌から今後はハリウッドでの活躍も期待されるが、どうか陳腐な肉体派女優に成り下がることのないよう祈るばかりだ。 こういう創造性に秀でた実話ベースの物語は大好きだ。取材に1年以上をかけたというマーストンの執念と豊かな創造性、そしてマーストンの才能をアシストするモレノ以下キャストの完璧な演技。そして素晴らしい邦題も加わってとても魅力的な一本に仕上がった。

  • stj********

    3.0

    事実

    世界のどこかで起きている真実を知るたびに 知らなかったほうがよかったのか、知らなければ いけなかったことなのか、ぐるぐる考えてしまいます。 この作品もそうでした。 自分が17歳のとき、こんなにマリアみたいに大人だっただろうか。

  • jkp********

    4.0

    邦題を考えた人、誰?

    登場人物は皆、過酷な現実の中でも懸命に生きている。 誰のために、何のために・・・ 不透明であれ、決意に満ちたマリアの最後の表情が強烈な余韻を残してくれる。 主演女優と邦題の素晴らしさを噛み締めながら味わう作品であろう。

  • che********

    5.0

    胸が締め付けられる

    見ていくうちに胸が苦しくなってくるくらいつらい。 最後にあの子はどうしたのだろうと思うとまたつらくなる。 おもいのが苦手な人にはお勧めができないけど、見てこういうことがあるのだと 知ってほしいし命を粗末にしたりする人に見てほしい。

  • tok********

    4.0

    ネタバレ発展途上国の描写っぷりがすごい。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • gjp********

    3.0

    居場所

    仕事やお金、時間、健康などの日常や生活を当たり前として構成するものが揺らいで崩れそうなとき、 いつも何かに違和感や苛立ち、要するに不満を抱えている状態、 そして無意識のうちにそれに慣れて生活している自分に気づいたとき、 人は居場所をなくし、その居場所を求めるようになる。 マリアは上を向く。 今より少しでも高いところを望んでいる。 どうやったらそこに行けるのか常に考え、 綱渡りでも瞬発力と判断力を欠かない。 運も不可欠、しかし運だけでも生きていられない。 この映画は単なる寂しさとまた少し違った、 日常でふと覚える疎外感や違和感のような、 そんな孤独感を知る人の苦しさや心細さを分け合えるような気にさせてくれ、 もう少し一人で泳いでいられる強さを分けてもらえるような、 そんな一本だと思う。

  • agi********

    4.0

    ネタバレコロンビアに住む人しかこれは評価できない

    このレビューにはネタバレが含まれています。
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