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ウィスキー
2005年4月29日公開

ウィスキー

WHISKY

942005年4月29日公開

hir********

5.0

笑う事すら下手になってしまった大人たち。

どーも!東京は、ガチで寒いです。マラソン、今日じゃなくて良かったね・・・ 医者や薬屋が、繁盛する様な世の中には、なって欲しくない! 世の中と言えば、ヤフーさん、大変な事になってますなぁ・・・ ヤフー知恵袋も、エライ所で知恵を出してしまいましたなぁ・・・・(-。-)y-゜゜゜ さて、レビュー行きましょう。 「ウィスキー」2004年度作品。 面白いよね、俺、てっきり「酒の映画」なのかと思ったら、 記念写真で、よくやる「はい、チーズ・・・」が、ウルグアイでは「はい、ウィスキー」 なんだね・・・・確かに、歯を見せる口の開き方になる。 それで、この映画全体に、その「ウィスキー」の言葉が、かかってくる。 「はい!ウィスキー!・・・・・さぁ、もっと笑って!・・・」 これが、この映画のテーマです。 従業員3人の、さびれた靴下工場を経営するオヤジ。(クリストファー・リー似) 主人公である、このオヤジは、いつも不機嫌顔。 長い間、母親の介護をしながら、工場経営もこなし、苦労しながら歳を取ってしまった男 毎日、毎日が、同じ事の繰り返しの日々。 エンジンが、なかなかカカラないポンコツ車で出勤、朝飯、外で食って工場へ・・・ 朝、工場の玄関先で待ってるババア(チンクシャ似)ひとり。 オヤジとババアは、目も合わさず、ニコリともせず、「お早う」の挨拶を交わす。 そして、シャッターの錠前をはずし、シャッターを上げて、工場の中に・・・ この間、二人の間に全く会話無し・・・・ただ、黙々と同じ日々を繰り返して生きて来た このオープニング・シーンで、観ているコチラは、ガッツリ持ってかれます。 俺は下町の出身なんで、この手のさびれた工場や、 そこで何十年もの間、埋没して人生を過ごしてきた人達を、たくさん見ている。 外国映画のハズなのに、そこに映ってるのは、墨田区のオヤジとババアそのものなのだ。 映画を観る事によって、改めて、「人間」というものに国境は無いんだと思い知る。 「いい映画」ほど、「飾り」を見せず「本質」を見せる。 「本質」とは「人間そのもの」である。 思想とか、宗教とか、土地柄とか、そんなものは「飾り」に過ぎない。 この「ウィスキー」と言う映画は、主人公二人の姿を「本質」のみで描いている。 母親の墓石を披露する・・・のが、話の「核」なのに、 そのシーンに関しては、一切、見せようとしていない・・・スルーしてるのだ。 チンケなサッカーチームのオーナーをしているオヤジと、 仕事帰りに、映画を独りで鑑賞するのが、唯一の愉しみのババア。 この「独り身」同士の二人が、「偽夫婦」になる、という設定がもう、笑える。 ブラジルからやって来る「弟」の手前、独り身じゃ嫌だと「偽夫婦」に化ける。 弟は、何十年ぶりで会うワケだが、こちらは仕事もやるが、遊びもイケルくち。 「本質」だけで生きて来た人間と「飾り」を身に付けた人間が、 「嘘」という土俵の上で、めぐりあう・・・・・・ 何とも、人間くさい映画であった。 ハリウッド映画に見慣れてる人は、この映画に間違いなく戸惑うだろう。 だが、我々、日本人は「日本映画」を観ているので、「この世界」は理解できる。 役者は、一切、表情に出さない・・・・芝居はしてるが、「色」をつけない芝居だ。 よって観客は、「無表情」の向こうにある感情を自分で想像してゆかねばならない。 登場人物達の行動は、ただの「繰り返し」 それが後半になると、180度違う状況になり、在る人物の行動が微妙に変わる。 そこに気が付けば、ラストは納得がいく。 あの、一見、唐突に見えるラストも、実は映画の醍醐味。 ハリウッド映画に慣れてしまうと、「予定調和の完全ラスト」ばかりで、つまらない。 映画のラストというのは、実は、観ている観客が、「その先」を想像して考える、 そんな「楽しみ」も残しておいても、いいのではないだろうか? 上映時間約90分。 なんのCGもないし、飛び出すモンも無い。 オヤジ二人とババア独り・・・・なのに、これだけ面白い。これだけ満足してしまう。 それは、この映画が「本質」だけを描いているからに他ならない・・・

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