ここから本文です

男たちの大和/YAMATO (2005)

監督
佐藤純彌
  • みたいムービー 391
  • みたログ 3,992

3.72 / 評価:2226件

解説

1945年、東シナ海沖に沈没した伝説の戦艦大和を辺見じゅんが生存者や遺族などに取材をして書いた「男たちの大和」を映画化したエンターテインメント超大作。監督・脚本は『人間の証明』『敦煌』などの日本映画界の巨匠・佐藤純彌。出演者も反町隆史、中村獅童、渡哲也、鈴木京香と豪華な顔ぶれ。主題歌は長渕剛が情感こめて歌い上げる。約6億円かけて原寸大で再現された全長190メートルもの巨大セットは想像を超えた迫力。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

2005年4月、真貴子(鈴木京香)は鹿児島県枕崎の漁師・神尾(仲代達矢)に60年前、戦艦大和が沈んだ場所まで舟を出してほしいと懇願した。真貴子を乗せた小型漁船を走らせているうちに神尾の脳裏にも60年前の出来ごとがよみがえってきた。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2005「男たちの大和 / YAMATO」製作委員会
(C) 2005「男たちの大和 / YAMATO」製作委員会

「男たちの大和/YAMATO」あの時代の魂への賛歌を戦艦大和の威容とともに

 バーチャルな戦争をモチーフにした福井晴敏ものは、いずれも亡国を憂う三島由紀夫の亡霊のような人物が現れて平和ボケした日本を挑発し、最終的には、なりふり構わず「生きる」ことこそ尊いと謳い上げた。

 戦後60年の真打として登場する本作は、まったくもって対照的。戦争を知る世代がリアルな死とは何かを伝えようとする熱き想いに満ち、俳優陣にみなぎる緊張感は素晴らしい。あの時代、必死に青春を送ろうとした純粋な魂への賛歌を、戦艦大和の威容とともに堂々と描くタッチは感動的ですらある。現代の中高生にとってみれば、いわば“太平洋上の「バトル・ロワイアル」”だ。

 だが、愛する人を守るためという大義に隠れ、青少年を戦場に引きずり出した権力を糾弾する気配は微塵もなく、あの戦争の意味も問わない。むしろ「日本が生まれ変わる先駆けとして見事に散る」ことの美に酔いしれてさえいる。つまり、命そのものよりも、命を懸けて守る価値のあるもの(=国)を肯定している。これは、表面的に反戦を唱えながら、結果的にナショナリズムを強化する高度なプロパガンダ映画だといえよう。角川春樹復活の狼煙には危険な匂いが立ち込め、だからこそ彼の面目躍如である。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2005年12月16日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ