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リンダ リンダ リンダ
2005年7月23日公開

リンダ リンダ リンダ

1142005年7月23日公開

mam********

5.0

人生は終わらない歌

何度でも観たくなる。 でもある同業者は退屈だと言っていた。同じ仕事をしていても本当に人の好みって違うんだな、と思った。この作品が好きか嫌いかでその人と人生観を共有できるかどうかがわかりそうだ(笑) メンバーそれぞれがかっこよく美しく愛おしい。ザ・ブルーハーツの名曲たちがそもそもこの映画のために作られた訳ではない、ということを差し引いても、音楽映画の傑作だと自分は思う。 留学生が偶然の出会いから徐々に馴染んで、いつの間にか得難い仲間になっていく流れ、ザ・ブルーハーツの甲本ヒロトの弟さんであり名脇役、甲本雅裕演じる先生の生徒たちへの不器用な愛情が自然で微笑ましい。 文化祭が近づくにつれ校内の空気が徐々に昂っていく様を、男子(マツケン!)の一世一代の告白で象徴的に見せる抜群のセンスにも唸らされる。本作は形を変えた「台風クラブ」だ。 体育館でのライブシーンも実は最後列や壁際の生徒たちはそんなに盛り上がってなくて、淡々と見てるだけの者も多い(マツケンは別の意味で静かだが)。単純な青春サクセスストーリーでもないところが本当にリアル。そりゃみんなでプロを目指しているわけでもなんでも無いしこれが正解なのだ。 そして「終わらない歌」へ一気になだれ込み無人の校舎の点描が続くエンディングは泣ける。使いふるされた言い回しだが、ある年齢のある瞬間の輝きは誰もが決して取り返せない。それは残酷なことに出演している役者たち本人も。でも人生は否が応でも続いて行く。いや続けなくてはならない。この無人の「終わらない歌」は出演者、スタッフ、観客の今後の人生への応援歌なのだろうと思った。

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