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ヴェニスの商人
2005年10月29日公開

ヴェニスの商人

THE MERCHANT OF VENICE/Il MERCANTE DI VENEZIA

1302005年10月29日公開

kak********

4.0

高利貸しシャイロックの担保は1ポンドの肉

シェイクスピアの喜劇・戯曲である「ヴェニスの商人」を原作に、「イル・ポスティーノ」で高い評価を受けたマイケル・ラドフォード監督が脚本も兼ねた作品。題名は有名だが、ヴェニスの商人は意外な人物だった。 物語は、16世紀のヴェニスを舞台に、当時迫害を受けてゲットーという鋳造所を意味する区画に隔離され、昼間そこを出る場合は赤い帽子を被ることが義務づけられた”ユダヤ人”の高利貸しシャイロックを中心に展開される。 今なお続くアメリカの人種差別も根深いが、ヨーロッパでもヒットラー以前にユダヤ人迫害があったことに少なからず驚かされた。ベニスの商人とは、そのユダヤ人高利貸しを指すのだと思っていたが実は”貿易商”の事だと知った。 主演は、「ゴッドファーザー」シリーズのマイケル役で知られる名優アル・パチーノ。共演は、「戦慄の絆」で有名だが、フランスの歌手パトリシア・カースと共演した「男と女 アナザー・ストーリー」が印象に残るジェレミー・アイアンズ。 高利貸しが担保に取ったのが「1ポンドの肉」だったため、裁判沙汰まで起こり先の読みにくい進行になる。思うに、シェイクスピアは少し意地悪な想定が好きと見えて、有名な「ロミオとジュリエット」も悲恋とされているが、意地悪な想定を楽しむ喜劇的要素も含まれている。 意地悪な想定と言えば、結婚指輪にまつわるエピソードもコミカルで笑ってしまう。「恋におちたシェイクスピア」のジョセフ・ファインズと、「ジョン・カーター」のリン・コリンズの名演技?で盛り上げてくれる。 まるで舞台劇のような演出は、シェイクスピアの原作を尊重した結果かも知れないが、映画なのだから少しひねっても良い気がした。結局、ユダヤ人迫害が昔からあった事が印象に残ったという想定外の結果に終わった。

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