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春の雪 (2005)

監督
行定勲
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3.12 / 評価:446件

解説

『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督が、妻夫木聡と竹内結子主演で描く大正時代を舞台にした切ないラブストーリー。三島由紀夫の“豊饒の海”シリーズの第1作「春の雪」を映画化した作品。共演に『パッチギ!』で注目を浴びた高岡蒼佑。本作でもその素朴なキャラクターを生かした演技を見せる。撮影監督に『花様年華』『夏至』のリー・ピンビンを迎え、日本の貴族の華やかな生活を見ごとな映像美で映し出している。

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あらすじ

侯爵家の子息、松枝清顕(妻夫木聡)と伯爵家の令嬢である綾倉聡子(竹内結子)は幼なじみの仲だったが、聡子はいつしか清顕に想いを寄せるようになっていた。しかし、不器用な清顕はその愛情表現に対してうまく応えることが出来なかった。

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映画レポート

(C)2005「春の雪」製作委員会
(C)2005「春の雪」製作委員会

「春の雪」三島文学の世界観を壊さず美しく、だが…

 雅な雰囲気の漂う中、李屏賓のカメラがゆっくり、登場人物たちの感情をさらりとなぞっていくかのように動いていく。思い描いていた通りの三島文学の世界がスクリーンに広がる。清顕の聡子に対する歪んだ感情表現が災いとなり、やがて取り返しのつかなくなる悲劇を招く。この物語に反して李氏の美しい映像が、逆に残酷だ。

 だがしかし、どうも期待し過ぎてしまったらしい。清顕と聡子の濡れ場が、李氏の代表作「花様年華」のような匂い立つような妖艶さになるかと思いきや、淡々。その情事をきっかけに、2人の感情は誰も止められない状態になり、まさに坂道を転がるように落ちていくはずなのに、どうもその激しさが物足りない。主演の2人には荷が重かったのか? その分、聡子の侍女・蓼科役の大楠道代の怪しさや、清顕の親友・本多役の高岡蒼佑の出しゃばらずに親友を見守るその距離の置き方など、脇役陣の上手さに惹きつけられたが。ついでに言えば、宇多田ヒカルのエンディング曲「Be My Last」も違和感あり。

 三島作品の世界観を壊さず、美しく撮ろうとした作り手側の心意気は分かる。が、いかんせんガラスの置物をさわるかのように丁寧過ぎて、主人公たちの心の叫びがこちらまで響いてこなかった。(中山治美)

映画.com(外部リンク)

2005年11月9日 更新

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