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クラッシュ (2004)

CRASH

監督
ポール・ハギス
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  • みたログ 6,674

3.92 / 評価:2032件

明確な対象として相手を捉えられているか

  • adjustver2 さん
  • 2018年3月17日 9時05分
  • 閲覧数 1046
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

差別主義者のベテランと、穏健派の若手という真逆の警官。ベテランは日常的に差別的な振舞いを黒人達に行い、若手警官はそんなベテランに反発し露骨な嫌悪感を示す。
しかし、話が進んで行くとベテラン警官の父親のある事情から、彼がそのような差別主義者になってしまった事が分かってくる。そして大事故の発生。差別主義者だった警官が、事故を起こした黒人女性を救うために取った行動は、まぎれもない彼の純粋な気持ちからのものだ。父親が不遇な扱いを受けていた事から黒人を目の敵にしていたが、それは同時に、異人種を明確な対象として扱っている事が前提となる認識のあり方だ。だから彼は、自分の危険も顧みず黒人女性を助ける。
一方で若手警官はというと、実は彼が上からの目線でしか人種間問題を捉えていなかった事が分かってくる。それを象徴するかのように、彼は自身の偏見により罪もない黒人青年の命を奪う。

ここで示されるのは、明確な対象として相手を捉えられている事の重要性だと思う。よく無関心こそ最大の敵だなんて言うが、正しくそうだろう。ベテランは、目の敵としてではあるが、黒人を明確な対象として位置付けていた。一方で若手警官にそんな描写は存在しない事から、はっきりと黒人の事を見ていなかったのだろう。この2人の対比的な描写は人種間問題について大いに考えさせられた。本当の敵は無関心である事、これに尽きる。これまで持ち得なかった視座を与えてくれたという点で、見て良かったなと思える映画だった。
最後に2点。ベテラン警官が女性を助けるシーンは、(1)父親が不遇な扱いを受けていた事から黒人を目の敵にする彼のあり方は優しさの裏返しだったのではないかという事、(2)かつて黒人を手厚くもてなした父親と同じ熱い血が、彼にも流れているのではないかという事等、様々な思いが胸に去来する感動的なシーンだっように思う。
しかし、彼が女性に行った取締も卑劣で許せない行為である事も忘れてはならない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • 悲しい
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