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大停電の夜に (2005)

UNTIL THE LIGHTS COME BACK

監督
源孝志
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3.56 / 評価:494件

解説

東京が大停電に遭遇したクリスマスイブの夜を12人の男女の物語を交錯させながらロマンティックに描くラブストーリー。監督は『東京タワー』の源考志。12人の男女を演じるのは豊川悦司、原田知世、井川遥、宇津井健などバラエティーに飛んだ顔ぶれ。さまざま年齢、さまざまな形の愛を見ごとな脚本と構成力で完成度の高い作品に仕上げている。ファタジックな雰囲気をかもし出している美しい映像にも注目。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

クリスマスイブの夜、不倫関係を清算し、泣きながらホテルのエレベーターに乗り込む美寿々(井川遥)。エレベーターボーイで中国人研修生・李冬冬(阿部力)が彼女の顔を心配そうに覗き込んだとき、東京中のイルミネーションが消えはじめエレベーターも急停止した。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)「大停電の夜に」フィルム・パートナーズ
(C)「大停電の夜に」フィルム・パートナーズ

「大停電の夜に」美しく繊細な撮影で描く、抑制の効いた群像劇

 往年の古き良き洒脱なハリウッド・エンターテインメントを志向しても、日本映画は垢抜けないものだったが、この映画の中の東京は、猥雑なイメージが捨象され、実にきらびやかな幻想都市として映し出される。これは俳優たちの魅力がきらめくウェルメイドな群像劇だ。主人公は老人から少年まで12人。不倫、秘密、告白、出産、謝罪、赦し……。大都会の片隅に住む彼らは皆、一様に心に痛みを抱え不安に打ち震えながら、ささやかな幸せを求めている。

 きっかけはイブの夜の大停電。まばゆい街が暗転し、柔らかな蝋燭の炎で人々が浮かび上がる非日常は、それぞれの“つかえ”を少しずつ和らげていく。あえてベスト演技を挙げるなら、淡島千景、原田知世、田畑智子。もどかしく、あるいはこんがらがった愛のベクトルのゆくえをめぐる逡巡の中、人工衛星マニアの天文少年と癌を患った少女の出会いのエピソードは、広がりをもたらす。「ラブ・アクチュアリー」ほどセンチメンタルでなく、「マグノリア」ほどトラウマティックではない。臭すぎる話になる危険性を、美しく繊細な撮影と、劇的演出に寸止めをかけた技巧によって回避し、温かい眼差しで彼らを包み込むことに成功している。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2005年11月26日 更新

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