あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(5件)
- cyborg_she_loves
5.0点
日本で言えば2時間スペシャルドラマの2回モノとして制作されたテレビドラマが、後でつないで編集されて1本の映画として発売された、というものです。 最初から映画として巨額の費用を投入して作られたものではないので、セットは地味だし、2004年当時なら当然使えたはずのCGを始めとする特殊撮影技術もほとんど使ってない。 そういう制限の中で、重点を「原作を可能な限り忠実に映像化する」という点にしぼって作った作品です。 映像が地味な分、描写の焦点は登場人物たちの「心の動き」に集中することになる。 そういう心理描写がなかなか秀逸です。見ている間、いろんなことを考えさせてくれる。考えることが好きな人にとっては、3時間が全然退屈に感じられないと思います。 死んだ犬に電気ショックを与えることで一瞬だけ生き返らせたシーンを見ながら、これって現代人が心停止した人にAEDで電気ショックを与えるのとまったく同じことやってるだけじゃないか、と思いました。 その延長上で死体に命を吹き込むことが悪魔の所業だというなら、脳死者に人工呼吸器をつけておいて臓器をえぐり出して移植する行為は、すでに完全に悪魔の領域に入り込んでることになるんじゃないのか。 一度死んだ人間をよみがえらせることは、現代医療の現場では日常的に行なわれていることです。ヴィクターを「マッド・サイエンティスト」と決め付ける権利は現代人の誰にもない。 召使のジャスティンがウィリアムを殺したという嫌疑(じつは冤罪)のゆえに絞首刑にされるシーンは、悲しさと怒りのせいでちょっと正視できませんでした。 しかも牧師たちが「神よ彼女の罪を許したまえ」という白々しい祈りを唱えている中で、です。これって当時は実際に普通の光景だったんでしょうね。神よ彼女を許せ、と言いながら自分は彼女を許さず死刑にするという矛盾に誰も気づいていない人間の馬鹿さ加減に腹が立った。 でも、絞首刑にまではしなくても、これと同じような冤罪もまた、現代では日常的に起こっていることです。 物語の舞台は19世紀のヨーロッパでも、起こっている事柄は全然古くない。全部現代人に当てはまってる。だから、現実離れした恐怖物語としてではなく、全面的に共感しながら見ることができる。 心優しく、人を愛する心を持ち、ただ愛されることだけを求める「怪物」が、ただその外見上の醜さだけのゆえに人々から迫害され、追放され、彼を受け入れたのは盲目の人と先入観のない子供だけだった、というところも、現代の差別や「いじめ」とまったく同じ構図じゃないですか。 とはいえ、それほど人々から忌み嫌われるにしては、この「怪物」は美男子すぎるとは思いました(顔色が白塗りで不自然なだけ)。 原作の怪物は身長8フィート(2.5m)の大男ですが、ここまでデカければさすがに怖がられても無理はないでしょう。普通に歩いてるだけで2階の窓から顔が見えるような大きさですからね。 今のCG技術ならそういう怪物の映像を作ることは簡単だと思うんですが、このドラマの予算内では無理だったのかな。そのへんの映像をきちんと作っていたら、外見の恐ろしさと内面の優しさのアンバランスはより一層効果的に表現できて、よかっただろうな、と思いました。 低予算テレビドラマの宿命でしょうが。
- ink********
1.0点
大好きなドナルド・サザーランド、ウィリアム・ハートが出てる、ってんで 全く評判にもなっていない今作を 観てました! いや・・・観たことすら忘れるような・・・これに何のコメントのしようがあるのか・・・ という映画。 全くダメダメです。
- tpq********
5.0点
原作に、いい意味でとても忠実に作られている作品なので、ホラー的な 怖さや「怪物」との戦いから連想されるアクション性なんかを期待すると 「つまらない」と感じてしまうかもしれません。 印象的なシーンは、盲目の老人と無垢な少女だけがいる家での「怪物」の、 この作品中唯一と言える幸せそうな時間でしょうか。言ってしまえば、 このシーンにこそこの作品のテーマが詰まっているかと思います。
- pas********
2.0点
ゴシックホラーを堪能したくて見ました。 脇のキャストもいいし、はずさないだろうと思って。 しかし・・・・・・・・・・ いくら当時の雰囲気を出そうとアングルの絵を持ってこようが クラシックをバックにかけようが、 とってつけたようなわざとらしさを感じるだけ。 結局ストーリーも何にも覚えてません。 主役も、なんかしょぼかった。
- hdk********
4.0点
フランケンシュタインに出てくるモンスターは「フンガー!」って言ってるイメージだったけど(怪物くんかっ!)、この作品ではロン毛な男前(ルーク・ゴス)で、頭もよく心の優しい人物?だった。 ただ、愛が欲しかっただけ…。 そのモンスターを作ったヴィクター・フランケンシュタイン(アレック・ニューマン)は誰からも愛され、探究心の強い天才的な男、彼を取り巻く人々も素敵で幸せだった…のに、たった一つの過ちをおかし、それを受け入れることが出来なかったせいで歯車が狂ってしまう。 なんともせつなく悲しい作品でした。 場面の繋ぎ目が『ブチッ・ブチッ』って感じでちょっと気になりましたけど、私は結構好きな作品でした。感動はしなかったけど、心のあり方について考えさせられる作品でした。
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