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日本沈没 (2006)

監督
樋口真嗣
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2.80 / 評価:3367件

製作サイドの誤算

  • 諸星大五郎 さん
  • 2006年7月17日 13時31分
  • 役立ち度 315
    • 総合評価
    • ★★★★★

 若者をターゲットとした、いつもの映画なら、それはそれでよかったのだろう。いつものような映画とは、この監督の第一作のような作品を指す。
 しかしながら、原作は、いわゆる団塊の世代とその前後の世代が若いころ、深刻な影響を受けた作品。逃げこめる母としての国土を失った日本人は、では、何をもって日本人として成立するのか。そのテーマを、綿密なシミュレーションで、あるかもしれない沈没として小松は描いて見せた。それが小松の手柄だったのだ。33年前の映画も、やや荒削りではあったが、その方向でまじめに取り組んでいた印象が強い。今回の製作サイドは、日本沈没なら、団塊の世代も、そのジュニアも、いっしょに動員できると踏んだのだろう。

 今回、映画館に足を運んだ団塊の世代は(大げさに聞こえるかもしれないが)今の日本に欠落しているものを、小松左京がこの映画リメイクを通じて、ふたたび世に問う、と信じたのである。そう信じて映画館に足を運んだ、かつての青年たちは、決して、この映画を許さないだろう。動員すべき層の半分を敵にまわして興行的に成功するはずがない。監督は自分の幼さを謙虚に反省して、再起して欲しいと思う。メイキングの番組を見たが、名古屋のシーンがどうとかあなたが言っている段階で、もう相当おめでたくずれているのだ。CGなど得意がっていても、それは、観客から金をとるなら、あの程度のレベル維持はあたりまえのこと。そんなものに集中してどうする?

 ご都合主義でディーテイルの甘いあの映画と、監督も製作サイドも同じ精神構造なのだろう。
別の意味で、ほんとうに日本は沈没しそうだ。

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