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絶対恐怖 Pray プレイ
2005年10月15日公開

絶対恐怖 Pray プレイ

772005年10月15日公開

koh********

5.0

ホラーを超えたホラー

この映画は「ホラー」というジャンルに分けられてはいるものの、その枠を越えた様々な要素が含まれている。 ホラー+αという映画は大体の映画が、ややこしくなっていったり安っぽくなりがちだが、今作はホラーという要素においても+αの要素においても、丁寧に作られた映画であった。 では、その+αとは何かと言うと、暗い舞台の上には不似合いに見える、純粋な愛の姿である。 ラストに向かえば向かうほど、ホラーという要素はバックテーマとなっていくその過程が上手に作られている。 ストーリーは、「誘拐した少女がもし死んでいたら・・・」という衝撃的な話で幕を開け、謎めいた展開から段々と真実が明らかになっていくといった構成になっている。 その真実も決して安易な作りではない。 二転三転するストーリーの中で、恐怖の表現以上にインパクトのあるものである。 始めは無意味で無駄な演出と思っていたシーンたちが、実は観客を怖がらせるだけのものではなかったと気付かされる瞬間には、なるほどホラーを超えた感動が待ち受けている。 主人公の心の奥に隠された悲しい過去であったり、ストーリーの周りを渦巻く衝撃の事件であったり、ただ単にホラーと言うジャンルで括ってしまったらもったいないテーマがたくさんある作品だ。 また”ホラー”というジャンルを引き立たせる演出もなかなか良くできている。 要所要所でドキッとさせられるお馴染みの恐怖演出や、人間の闇の部分をストレートに表現したシーンなど、監督の腕が光る。 佐藤祐市監督はドラマ「ウォーターボーイズ」で脚光を浴びた脚本家であるが、や初監督とは思えないテンポの良さで、抜群の技術を見せ付けている。 また、主演の玉山鉄二、水川あさみは安定した演技力で、ホラーを超えた新しい世界観を生み出している。 そんなベテランと新人が入り混じる舞台の上で、子役を除く他のキャストたちの演技が少し素人っぽさが目立っているという点が少し残念だが、全体の印象として極端に雑な点はないので安心した。 ホラー好きの人にも、ホラーは苦手という人にも、おススメしたい感動の一本である。

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