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プルーフ・オブ・マイ・ライフ
2006年1月14日公開

プルーフ・オブ・マイ・ライフ

PROOF

1032006年1月14日公開

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5.0

照明できないことは信頼すればいい

数学の証明。 そして、人間の証明とは? 天才数学者の父をもつ、数学者の卵のキャサリン。 父は、晩年精神を病み、ぼけてしまった。 彼の死後、父への哀悼と、自身も父のようになるのではという恐怖に苦悩するキャサリン。 そして、物語の鍵は、父の死後発見された、革命的な証明が書かれた一冊のノート! ノート発見時の論争のシーン、父と娘が各々論文を書いた後、父が娘にノートを見せるシーンなど、息を呑んで、ただただ画面を見つめてしまう。 撮影の前年に父を亡くしていたというグウィネス・パルトロー。 彼女のこの映画での繊細な演技は圧巻。 かつて偉大だった父の老いを目の当たりにする辛さと切なさ。 同時に、どんな姿になった父にも惜しみなく降り注がれる愛情と尊敬。 全てが滲み出ている。 日常生活の中にも数学の証明用語が使われているのも、なんだか潔くマッチしている。 ドレスが似合うことの証明が、ドレスが似合わないことを反証できないことだったり、亡くなった数学者への追悼の曲がi(虚数)で、音のない黙想だったり。 また、問題となる偉大な発見のテーマが素数だったことも、ストーリーを象徴しているのか。  1と自身以外では割ることのできない素数。  自分自身にしか分かることのできない自分?  さらには、自分自身にも分かることのできない自分? 他の人にも、ノートの真相を、そして自分自身を分かってもらうために、キャサリンが選んだ道が、父の数学の証明へのアプローチ方法を元にしているところも感動を呼ぶ。 「証明」できないことは、「信頼」すればいい。 ―温かい感動に包まれた作品。

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