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博士の愛した数式
2006年1月21日公開

博士の愛した数式

1172006年1月21日公開

sou********

4.0

失われる時間よりも、今描く直線を生きる。

大事な人にさ、分かっていてもつい言ってしまう「その話聞いたよ」。 その一言って、要らないんだよねホントは。 いつもの事だけど、日常の煩雑さにとって面倒な響きが「その話」で、つい口にしてしまう一言が「聞いたよ」。 数学チンプンカンプンな僕だが、憧れる職業だよね数学者って、なんて言ってみる。 この映画に若い頃出会ったなら(公開当時は既に社会人だが)、若い頃に「フェルマーの最終定理」という小説に出会っていたなら、数学者を目指す努力をしたかもしれない。 ただ、大人の感性だからこそ、そんな憧れが生まれるのか?数学の授業って、そんな魅力的ではなかったね(笑)。 数字の持つ神秘と絶対的な調和と証明の世界。博士の持つ数学から生み出される哲学に、心の発見を見出せそうな気がしてくる。 義姉と義弟の関係性は、愛の調和を見出せなかったのかもしれないが、1人の家政婦の存在で完璧な型が生み出される。 映画に登場する数学の話が、大部分は理解出来ないくらい数字の神秘に翻弄されるくらい数学嫌いだった僕だ。 しかし「博士の愛した数式」という映画は、博士が愛した数式が生み出すゼロ、すなわち丸く収まる物語に静かに唸る。 物語の調和は大人向けの静かなラブストーリーで、人の心に潜む虚数のような無理数のような感情を、1人の存在を介して一つの数式で纏め上げる見事なものだった。まさに、博士の言う美しい証明と言ったところか! 君の靴のサイズは?で毎回始まる新たな1日。いつものように質問を投げかける寺尾聰と、初めは戸惑いながらも博士を理解していく深津絵里の答えの変化も素敵でした。

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