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ある子供 (2005)

L' ENFAN/THE CHILD

監督
ジャン=ピエール・ダルデンヌ
リュック・ダルデンヌ
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  • みたログ 942

3.69 / 評価:206件

ある子供たち

  • lady さん
  • 2018年8月12日 9時22分
  • 閲覧数 488
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

『午後8時の訪問者』で主人公がハリウッド映画のような奇跡に頼らずひたすら話し合い、話し合い、話し合い...で課題を解決していく姿を見て、
「おお、これがフランスの本場仕込みの民主主義か...」と新鮮な感動を覚えた。
その監督がダルデンヌ兄弟だった。

彼らの作品をもっと観たい!と感じ手に取った(配信レンタルで観たので手でポチッとした)本作。

あらすじなど抜きで感想を述べると、「ある子供」とは少年のまま父親になってしまったブリュノを指すのだろう。

彼の優柔不断な人間性を直視せず幸せな生活を夢見ていたソニアが、現実を知って即座に頭を切り替え、母として女性として逞しく変貌する姿が見事だった。

家庭環境や充分でない教育のせいもあるだろうが、思考は子供のまま体だけ大人になってしまったブリュノは行動が行き当たりばったり。

ただ、日本でも子どもを虐待して殴り殺す父親のニュースは頻繁に報じられる。自分より裕福で豊かな家庭に引き取られ、子どもが幸せになることを願っていたのかも知れない(本人にしか分からないが)

彼は逮捕され、自分が失ったものの重さに気付き悔恨する。そこには少しの成長が感じられる。

そして、彼と共に涙を流すソニアだが、二人の関係は元の恋人同士に戻ることは無いと思う。彼女の涙は、かつて共に過ごし子どもまで設けた男が人生を台無しにした痛みに対する共感の涙。母のような慈しみの涙ではないだろうか。
怒りと失望で彼を遮断したソニアだが、彼に同情し痛みを分かち合う。そんな優しさを身につけたのだ。
やはり少女だったソニアの方が最終的な成長が大きいように感じる。

そして、関係も生活も破滅してしまったが、若くしてこの痛みを知ることが彼らの人生とっては大きな価値があっただろう...とも思う。

貧しく無鉄砲な若者の心の機微がリアルに描かれる、味わい深い映画だった。

詳細評価

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