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ナポレオン・ダイナマイト

nop********

4.0

ネタバレピース

 観てる間は、淡々とした毎日が続いていくだけで、どうなるんだろうと思ったが、観終わった後は幸福感に包まれた。これはすごいな。ほんの少し、ずれたエピソードを巧みに積み重ねることで生み出される平和な日常と幸福。なるほど、全米で大ヒットしたのも頷ける。  主人公はボンクラな高校生で、見栄を張って嘘をついたり、デリカシーのない言動をしたりと、いろいろと困った奴なんだが、善良な人間だということがじわじわと伝わってくる。こういう奴がたくさんいたら世界も平和になりそうだな、と思わせる主題の表出が見事。だから原題が主人公の名前なのか。納得。  衝撃的な出来事が起こらない、ありふれた日常を肯定するって、現代人にとってはとても重要な主題のような気がするな。こんな田舎町が舞台だと、田舎町の「なんにもなさ」を否定して絶望する若者なんかが登場しそうだけど、そんな奴は出てこない。皆少しどこかがおかしかったり、ネジが一本飛んでたりする奴らばっかりだけど、最後にはとても愛おしく思えてしまう。  爆笑とまではいかなくても、少し外した小オチの連続も心地良い。のどかな田舎の風景も癒されるし、校内等のカラフルな色彩も、幸福感を増すよう計算されてるんだろう。凝ったオープニングも洒落てて気が利いている。チャットで知り合った人との繋がりと恋など、全てが世界平和に繋がっていくような。大げさだけど。  最後の主人公の見世物もびっくりさせられたなー。これは不意打ちというか、少し感動してしまった。ジャミロクワイの懐かしい楽曲。昔を思い出す。  ジェットコースター的な展開を期待せず、95分間身を委ねればあなたも世界平和に一歩近づきます。って怪しい宗教みたいだな。とにかく観て良かったですね。

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