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ナポレオン・ダイナマイト

一人旅

5.0

予算はいらない、青春をくれ!

ジャレッド・ヘス監督作。 冴えないオタク高校生の日常を描いたコメディ。 当初は『バス男』の邦題がつけられていたものの、あまりに適当過ぎるネーミングに批判が集まったため原題と同じ『ナポレオン・ダイナマイト』にタイトルが改められた低予算映画。 アイダホ州の田舎町で暮らす陰キャラなオタク高校生:ナポレオン・ダイナマイト(本名!)を主人公にして、唯一のお友達であるメキシコ人転校生:ペドロとの交流&友情や、生まれてから一度もモテたことがない主人公の初めての恋の奮闘を活写した“非リア充系 青春コメディ”となっています。 徹底したオフビートが不思議な心地よさを生む逸品で、絶えず口が半開き&ボーッとした表情の主人公のダサさ丸出し&痛さ全開の言動が観客の笑いを誘ってくれますし、主人公に似た空気感を漂わせる親友ペドロ君との息ぴったりのコンビ芸も絶妙にユーモラスです。 アキ・カウリスマキ、ジム・ジャームッシュ、ウェス・アンダーソン、ケヴィン・スミス―といった映画作家たちの作風がどことなく感じ取れるオフビート映画で、キラキラ輝くものだけが青春じゃない=退屈で失敗続きでもそれも立派な青春!…であることを肩の力を抜いて教えてくれますよ~。 で、主人公ナポレオンを演じたジョン・ヘダーが醸し出す“唯一無二の逸材感”が最高で、彼を発掘したヘス監督に拍手を送りたくなります。しかも、ナポレオンの兄役:アーロン・ルーエル、叔父役:ジョン・グリース、親友ペドロ役:エフレン・ラミレッツも監督が追求する癖の強いキャラクターを見事に演じています。

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