あらすじ・解説
幼いころ神隠しにあったことのある里美(藤澤恵麻)は、そのときの失った記憶を求め「隠れキリシタンの村」を訪ねた。そこで、村に伝わる聖書異伝を調べるために訪れていた考古学者・稗田(阿部寛)と出会う。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(62件)
- mec********
4.0点
ネタバレ二,三言のセリフで台無し...
このレビューにはネタバレが含まれています。 - nit********
3.0点
ネタバレ妖怪ハンター
このレビューにはネタバレが含まれています。 - pog********
2.0点
諸星のファンなので非常に期待していたのですが、何かストーリーが平坦ではらはら感がありません。原作が非常に良いだけに残念です。
- kar********
2.0点
ネタバレ古めかしいのではなく古くさい
このレビューにはネタバレが含まれています。 - 真木森
3.0点
小学生の時分でしたからそりゃもうトラウマになりましたよ。「少年ジャンプ」に普通に載っていた諸星大二郎の『暗黒神話』。しかも餓鬼に菊地一族が惨殺される回をいきなり見たものですから「ぎゃっ!」絵柄が何とも言えずザワザワする感触で、その流れで本作の原作『生命の木』を読んだので、冒頭の重太の呆けた顔を見ただけで「うぁっ!」でもですね、それを通り越して物語の世界にどっぷりはまると、それは本当に「ぱらいそ」へ同化したかのような至福の境地なんです。当時オカルトブームの中で神話や伝承をベースにした伝奇マンガは数多存在しましたが、これは一級品中の一級品。小学生でも古事記神話も聖書の話もおおよそは知ってましたし、絵柄はやっぱり苦手なもののどんなに凄いマンガなのかという価値はよく分かってました。 それから30年近く。恐らくはマンガの根強いファンが制作側として成長するほどに時間が経ったと言うことなのでしょう、神戸浩の重太が「お、おお、おらもぱらいそさつれてってくだせえ」と見事に(というかナチュラルで)演じているという風評も聞き、前から気になっていました。それに阿部寛は敬愛するアクターですしね。それで先日色々機会が重なって初視聴した訳です。これがなかなか雰囲気作りに成功していて、冒頭で土屋嘉男の姿を見た瞬間に「おお、これはアヤしくて制作側はツボをよく知っている」とワクワク。そうしたら出てくる人物が片っ端からアヤしく、柳ユーレイも草村礼子もアヤしいし清水紘治なんか本編ではたんなる普通の神父なのですが何かあるんじゃないかと勘ぐらせてくれる。多くのレビュアーの方が述べているように圧巻は白木みのる! それにちすんも別に何をするという訳ではないのに怪しげな薫りを漂わせていますし、実は何気に藤澤恵麻がやたらと怪しい。美人の系統ではあるのですが、何となく「もののけ」が憑いている感触があって作品世界にぴったりです。というか映画全体のピンとみなぎった氷のような空気感と、音楽の使い方がザワザワする雰囲気を見事に醸し出していて、これは見事な仕事をしていると評価するに足ります。 し か し、本作はそこで息切れしてその先に行けなかったのが最大にして根本的な弱点になりました。これだけ綿密に張った伏線は全くと言っていいほど機能していません。土屋嘉男も柳ユーレイもちすんも全然物語の核心には無関係。清水紘治も単にその場に居合わせただけの役割で、折角の熱演が台無し。そもそも神隠しの話は全く物語に絡んでいないし、本作の「奇談」たるおぞましさを一番演出してくれた大正時代のフィルムは丸投げのままに終わってその後余り生かされていません。原作は黙示録的な一大カタストロフィーと壮大な世界観・スケールの中でクライマックスを迎えるのですが、本作の「ぱらいそさいぐだ」の昇天シーンは相当頑張ってはいるものの小さくまとまってしまったいただけなさがあります。という訳で、ものになりそうな材料を沢山揃えてそれをちりばめて部分部分は実に見所あるものの、肝心の「映画としての総体」「ドラマトゥルギーとしての全体像」において未消化、良い素材を料理しきれなかったということでしょうか。勢い演出者としての監督には辛い評価を下さざるを得ません。このレビューにおいて厳しい裁定がなされているのも仕方のないところです。やっぱりあの時代だからこそ強烈かつリアリティを持っていた物語ってあると思う訳ですよ。私も小学生だてらに五島勉の『ノストラダムスの大予言』を読んでいましたし、少年ジャンプじゃなくても少年チャンピオンなんかは『恐怖新聞』とか『魔太郎が来る』『エコエコアザラク』等々トラウマ系のマンガが目白押しでしたし、少年マガジンにはあの『聖マッスル』まで掲載されていた訳で、完全に「少年向け雑誌」というタガが外れて、やることやり切った荒野でニヒリズムに満ちた蛮行がどこ吹く風で席巻している時代でした。まさにこれは『デビルマン』の後に『バイオレンスジャック』を描かざるを得なかった永井豪の必然! しかし当時強烈なインパクトを受けた子どもが成人し、その物語を反芻しようとしても映画『デビルマン』の次元に陥ってしまうのは冷酷な現実。やはりどんなに好きな物語であっても、今、現にここにある問題意識を無意識に結実させた作品へ昇華しなければ空漠なのです。昨年最もシネフィルをうならせたオールドキャラの現代的解釈が『ダークナイト』のジョーカーであったことを想起してください。 などと旧作の価値観を映画化する難しさについて一家言ぶってしまいましたが、ただしあの70年代には我々が忘れ去ってしまっている映画的鉱脈がザクザク埋まっていることも事実。出演者達の熱演と、今後制作陣が忘れられた70年代的素材に手を付けてくれることを期待して☆は3つにしておきます。
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