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変身 (2005)

監督
佐野智樹
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2.24 / 評価:368件

支離滅裂

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2017年8月24日 12時10分
  • 閲覧数 2341
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 とにかく支離滅裂。ありえない話すぎて、共感もなにもできたもんじゃない(原作もこうなんですかね? 売れてるようだけど)
 脳移植自体がありえない、といってるんじゃありません。ありえない設定から展開する映画はいくらでもある(というか、大半がそう)。問題はその後です。

 この映画の時点(2005年)ですでに、脳どころかどんな臓器の移植でもドナー・レシピエント双方の同意なしには不可能です。ましてや、人格の根幹を司る脳をドナーにもレシピエントにも無断で移植したばかりか、その事実を本人に知らせすらしないなんていう設定が、現代で通用すると思って映画作ってるところが、まず医療というものを知らなさすぎ。
 百歩譲って、まあそれも許すとしましょうや。しかし、殺人犯は、じつは衝動的に発砲しただけで、元来は気が弱く、ピアノが好きで母親思いの優しい子供だった、と双子の妹が説明してますが、そういう人物の脳を移植されたらジュンがどんどん冷血凶暴な人間になっていった……って、それって移植された脳の影響にしては筋が通らないでしょ?
 さらに、殺人犯の意識が徐々に支配的になってきて、自分が暴力的になったり、人を何度も殺そうとしたりするのに疑問を持ち、ジュンが堂元医師に「説明してくれ」と要求しても、医師は「まだその時期じゃない」っていって放っておいた……って、おいおいこの医者、彼が本当に人を殺すまで野放しにしておくつもりかよ?

 登場人物の台詞も、いたるところでなんか変ですよね。ジュンに愛を告白された時のメグの答え、「私はね、ジュンくんのこと、すごく大切に思ってるよ」という言葉を聞いたら、ふつうは次に「でもね……」と続くと思いません? 私はこれ、てっきりこれでこの2人が別れるという話だと思って見てたら、あれ? むしろそのあとメグの方が入れ込んでるじゃん?
 それからこのラストシーンですが、メグのことを愛してる人が、その彼女の見てる目の前で自殺するって、それが愛する人の行為ですか? (それは、相手に一生消えないトラウマを残す復讐の行為じゃないでしょうか?) むしろ、メグにも誰にも知られないところへ行ってひっそりと消えるように自殺する、というシーンにすべきでしょう。これ作った人、「愛」っていう感情を理解してるのかな? と思わずにいられません。

 製作者はどうやらまったく認識していないようなので、ちょっと確認しておきますが、この映画でジュンが抱え込むすべての問題は、脳を移植されたことそれ自体によって生じているのではなく、脳を移植された事実、そして誰の脳を移植されたのかということを、「知らない」ことによって生じているものです。一番の最初に医師が、この発砲事件と、移植にまつわるすべての事実とを、ジュンに正確に説明していたら、ここで起こっているうすべてのトラブルは、生じずにすんだものばかりです。
 製作者には全然そんな意図はなかっただろうと思いますが、「結果的に」この映画は、医師が愚劣だったら患者はこんなひどい目にあう、ということを描いた映画に、なってるわけです。そういう問題を考えたいというなら、これはこれで見るに値する栄華ではあるかもしれません。

 というわけで本当は☆1つですが、蒼井優ちゃんがかわいくてけなげな女の子を演じてる演技は素晴らしいのので、+1.

詳細評価

物語
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