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狼少女 (2005)

監督
深川栄洋
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4.11 / 評価:98件

解説

『紀雄の部屋』の深川栄洋監督が、口裂け女や火吹き男の“見せ物小屋”を通して昭和という時代をノスタルジックに描いた感動作。半ズボン姿もバッチリの『風の残響』の鈴木達也や、東京電力のCMで人気の大野真緒ら子役が大活躍。大塚寧々や田口トモロヲ、手塚理美など個性的な面々と見事なコンビネーションを見せる。ほろ苦い初恋の味、早く大人になりたくてもがいていたころの自分の分身を垣間見せてくれる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

小学4年生の明(鈴木達也)のクラスに才色兼備の少女、留美子(大野真緒)が転校して来る。同じころ、街にやって来た見せ物小屋に出ている狼少女がいじめられっ子の秀子(増田怜奈)だという、うわさが立ち始める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2005「狼少女」フィルムパートナーズ
(C)2005「狼少女」フィルムパートナーズ

「狼少女」昭和の“見せ物小屋”の扉の向こうにあるものは…

 筆者のような“口裂け女”世代には放っておけない映画である。今にして振り返ると、あんな怪物が下校途中の道に出没するのではないかなどと本気で恐れおののいていた自分が、何ともいじらしくて微笑ましい。幽霊やUFOは本当に存在するのだと根拠なく確信していた昭和のあの頃。というわけで筆者には、「狼少女」の主人公、明クンが他人とは思えなかった。

 明は地元の神社にやってきた見せ物小屋の怪奇な出し物“狼少女”に興味津々だが、中に飛び込む勇気を奮い起こせない。映画はそんな明と、都会から転校してきた美少女、“狼少女”の正体と噂される陰気な女の子の交流を描き、終盤に意外な真実を明かしていく。

 その真実は見せ物小屋の扉の向こうに横たわっている。口裂け女よりも地底人よりも衝撃的な“現実”というものの過酷さ。かくして少年は夢見る幼心を喪失し、その引き替えにほんのちょっぴり成長を遂げていく。

  少年少女の日常をきめ細やかに綴ったこの映画は、ほのぼのとしたユーモアで観る者の心を和ませながらも、学校で、家庭で、それぞれの孤独と闘う彼らの姿を見すえている。その手際よくも真摯な演出&脚本に、筆者は舌を巻いた。今や口裂け女の代わりに本物の殺人鬼がうろつく時代と嘆く人にも、黄昏色にきらめく本作のひたむきさは一服の清涼剤になるだろう。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2005年12月10日 更新

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