ここから本文です

カミュなんて知らない (2005)

WHO'S CAMUS ANYWAY?

監督
柳町光男
  • みたいムービー 40
  • みたログ 176

3.66 / 評価:83件

愛について、大学。ほぼ傑作。

  • hsa***** さん
  • 2019年9月7日 2時34分
  • 閲覧数 38
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず、周到に作り込まれていることに気付こう。
ほぼキッチリ撮影され、編集されている。
最後の15分は別の映画のようになるので、変則的な2部構成といえる。
この映画を特徴付けているのは、冒頭の長回しに表れているように、物事の羅列だ。
人物の羅列、キャラクターの羅列、クラブ活動の羅列、そして愛の諸相の羅列だ。
年をとった人間が、青年達に贈る、物を考えるヒント集だ。
映画とは何か、文化とは何か、愛とは何か、命とは何か、死とは何か。
これだけでも優れた映画の要素を満たしているのだが。
柳町監督がエライのはここからだ。
問題のラストの15分、突然ナレーションが入り、現実なのか撮影なのか、境界線が曖昧になり、観客は一瞬戦慄する。
フィクションを見ているはずなのに、フィクションのタガが一瞬はずれる。
映画が頭をもたげる瞬間が見事に定着されている。
と同時に映画批評的な視座もインプットされる。
映画はもとより物語は信じてはイケナイのだ。
映画リテラシーともいえるこの立ち位置は、映画史をある程度たどらないと得ることはできない。
過去の映画の引用数でも映画史上屈指の数を誇るこの作品は、過去に遡行することの重要性を伝えるものだ。
ベニスに死すやアデルの恋の物語に気を取られてはイケナイ。
むしろアメリカの夜をベースにサイコをくっ付けた2部構成の映画と理解すべきだろう。
その他引用作を列挙することはしないが、エドワードヤンやホウシャオシェンとの同時代性に注目すべきだ。
スポイル国家、日本を射つとともに、時代の無教養と無思考ぶり、無関心ぶりをも射つものだ。
熱い血について考えるとき、ある明晰さについて考えるとき、柳町監督が浮上してくる。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • ファンタジー
  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ