レビュー一覧に戻る
DEAR WENDY ディア・ウェンディ
2005年12月10日公開

DEAR WENDY ディア・ウェンディ

DEAR WENDY

1052005年12月10日公開

ごぉ

3.0

自分の弱さから目を背ける。

習い事をする、知識と教養を身につける、体を鍛える、格闘技を習得する。 胸を張って自分らしく生きるために、人はけっこう努力しているのだと思う。 洗練された学識や高度な格闘術をひけらかす舞台は、限られている。 普段は普通の人のように見えても、「実はオレは・・・」みたいな自信を密かに胸に持っていることが、エゴ(自我)を保つ上で大事なことなのかもしれない。 髪型と服装を整え、表情や態度、振る舞いが、人からどう映るのか、研究する。 自分のエゴを外見(ルックス)にも投影させたい。 サングラスをかけて、金髪にして、「これがオレだ!」と主張したい。 情報が飽和した現代社会では、個人や個性が埋没する。 他の人と一緒で、なるべく目立ちたくないという人達を、日本では「草食系」と呼ぶのか。 米国の炭鉱町で育った、何ら特徴もない、ごく普通の青年たち。 ディック(ジェイミー・ベル)は、ふとしたきっかけで、本物の銃を手にする。 その銃に、“ウェンディ”と名前をつける。 「オレは銃を携帯しているんだぞ」という特別感。 誰も知らない、誰にもわからない。 自分だけの秘密が、彼に自信を持たせる。 彼の思考を変えていく。 行動を大胆にしていく。 そして、同じ思想を共有する若者たちだけで、“ダンディーズ”というグループを結成する。 言い知れぬ高揚感が、メンバーを包みこむ。 メンバーたちの規律は、 「銃を携帯していることを誰にも知らせちゃいけない」 もちろん、誰かを撃つなんて、論外であって。 自分の中だけで“ほくそ笑む”もの。 射撃の腕だけを、どんどん上達させていく。 青年たちが個性的で、魅力に溢れた俳優さんばかり。 素晴らしいキャスティング。 ふとしたきっかけで“ダンディーズ”に加わった黒人の不良青年セバスチャン。 不良青年というよりも、普通の感覚を持ち合わせた青年。 セバスチャンは言う。 「怖いから銃を持ってるんだろ?認めろよ」 「お前らは、イカれてるよ」 殺傷能力を持つ、圧倒的な力を、常に携帯する。 想像してみろよ。 もし、ピンチに陥った時に、これを使用すれば・・・ 発砲しなくても、 誇示するだけで、 相手は怯むこと請け合いなのである。 直視しかねる己の弱さ。 弱さを認めた上で、力をつければ。 自分の中の悪を認めた上で、善行をおこなえば。 自分を知るということは、 簡単なようで、実に難しい。 ラース・フォン・トリアー脚本作品。 独特の空気が流れます。 映画ファンが好みそうな作品。 流石の傑作です。 Rakuten rental DVD

閲覧数859