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ミュンヘン (2005)

MUNICH

監督
スティーヴン・スピルバーグ
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3.62 / 評価:978件

解説

スティーヴン・スピルバーグ監督が、1972年のミュンヘン・オリンピックで実際に起きた事件の真相を、事件に関わった人々のコメントや、史実に基づいて映画化した衝撃の問題作。主演に『トロイ』のエリック・バナや6代目のボンド役を務めるダニエル・クレイグら実力派俳優が名を連ねるほか、製作陣にはピューリツァー賞やオスカー受賞者などが顔を揃え、作品の質を高めている。国家への忠誠心や家族への愛を描きつつ、世界平和の真意を問うストーリー展開が見事。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ミュンヘン・オリンピックの最中、イスラエル選手団が何者かに襲われた。イスラエル側はテロリストの犯行とみなし、復讐を計画する。暗殺チームのリーダーに任命されたアヴナー(エリック・バナ)は、11人の標的を次々に消していくが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

TM & (C)2005 DREAMWORKS LLC./Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
TM & (C)2005 DREAMWORKS LLC./Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

「ミュンヘン」スピルバーグの願いが胸を打つ

 「ミュンヘン」の原作「標的は11人」は既に86年に「ギデオン-テロリスト暗殺指令」というTVムービーになっている。両者を比較するとスピルバーグの異能が明確になる。「ギデオン」は原作に書かれた事実全体をバランスよく映像化しているが、「ミュンヘン」は執拗なまでに暗殺作戦の細部にこだわる。発端となる72年のミュンヘン五輪の11人殺害も、弾丸の数まで事実どおりに緻密に描写される。この部分は2003年のアカデミー最優秀ドキュメンタリー賞作品「ブラックセプテンバー/五輪テロの真実」を参考にしており、退色してざらついた画質や手持ちカメラの動きも当時の記録フィルムを再現している。

 「ミュンヘン」は、戦争やテロを国家や政治の視点で俯瞰的に見下ろすのではなく、一つ一つの死を観客に生々しく体験させる。主人公たちモサドが敵であるパレスチナ・ゲリラと偶然一夜を共にするシーンでラジオから流れるアル・グリーンの「レッツ・ステイ・トゥゲザー」にスピルバーグの願いが込められている。彼がなぜ今、このテロと報復の悪循環を映画にしたのか、その理由はラストで墓標のように映し出される世界貿易センタービルが何よりも雄弁に語っている。(町山智浩)

映画.com(外部リンク)

2006年2月8日 更新

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