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SPL/狼よ静かに死ね (2005)

SPL/SHA PO LANG/殺破狼

監督
ウィルソン・イップ
  • みたいムービー 24
  • みたログ 159

3.95 / 評価:77件

野獣刑事よ、静かに眠れ

  • ichikawa_raidou さん
  • 2011年6月25日 22時16分
  • 閲覧数 1316
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

SPL=殺破狼(シャー・ポー・ラン)
中国占星術において人の運命を司る三つの星「七殺」「破軍」「貪狼」を総じてこう呼ぶ。


『SPL/狼よ静かに死ね』


『導火線』『イップマン序章&葉問』と立て続けに傑作を世に送り出し、
今や名コンビと呼んでもいい、主演ドニー・イェンと監督ウィルソン・イップ。

本作『SPL』はこの二人の初めてのコンビ作であり、
最近ようやっとDVD化された『導火線』の姉妹編といってもいい作品(個人的に「野獣刑事マー」シリーズと呼んでいる)。

しかし『導火線』が「やってやるぜ!コノヤロウ!」的なアドレナリン大量噴出激アツアクションだったのに対し、
この『SPL』は救いのない哀しい結末が待っている根暗ノアールアクション、
「陰と陽」「コインの表と裏」の関係でいえば『陰』で『裏』の物語なのだ。

だもんでもう作品冒頭から暗~い『陰』の雰囲気が立ち込め、出て来る奴らは刑事も含め「ワル」ばかり。
話の展開のさせ方も『導火線』の様にノリやアクションで物語を強引に進めるのではなく、
まずはじっくりと人物描写やそれぞれの関係を見せる事に時間を使う、
香港映画お得意の「アクションありきの物語」ではない、「物語ありきのアクション」という感じ。

だからド派手なドニー・アクションを期待して観ると前半は肩すかしを食う。
が、
ドニー演じるマー刑事が仲間の刑事達の不正行為(殺人!)を目撃し対峙する場面(ゾクゾクするほど画がカッコいい)あたりから徐々にカッチョいいドニー・アクションが炸裂し始める。

DVDのジャケットにもデカデカと載っているサモ・ハンとのクライマックスの死闘も素晴らしいが(ドニーVSサモ・ハンなら『イップマン』の方がオススメ)、
本作の目玉はなんたってドニーVSウー・ジン!!
(ウー・ジン・・中国武術大会で4度もチャンピオンに輝き「第二のジェット・リー」と言われる所謂「本物」の武道家。)

ウー・ジン演じる凄腕の「殺手」ジェット(!)とドニーが初めてまみえた時の金網越しの張り詰めた睨み合いの場面、
ここでドニーが魅せるビシッと決まった拳銃捌きの見事さ!
さすがドニーのイェン、『導火線』でも凝った銃撃戦を見せていたが、カンフーだけじゃなく銃の扱いも上手い!(このへんがジャッキーとかとの違いか)

そして圧巻は狭い路地でのドニー「特殊警棒」ウー・ジン「ドス」による超高速ド迫力の真っ向勝負の凄まじい殺陣!
まるでフェンシングの試合の様に横に逃げず真正面から物凄い速さで打ち合う姿は、血生臭い殺し合いというよりも正々堂々とした果し合いの様な潔さを感じさせた。
この場面はカンフー、チャンバラとあらゆる殺陣好きにこそ観てほしいと思う、ホントに凄いそんな名場面だ。


と、「物語ありきのアクション」とか言っておきながら物語には殆ど触れずにここまでグダグダと語ってきたが、サイモン・ヤムを筆頭に演技派の助演陣が魅せる哀しみのドラマもかなり見応えがあり、救いのない結末と相まって独特の余韻を残してくれる。

暗~い話だけどドニー・アクションも存分に楽しめる、
そんなちょっと異色のノアールアクション、オススメです。

詳細評価

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