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カポーティ (2005)

CAPOTE

監督
ベネット・ミラー
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3.70 / 評価:577件

解説

文学界に名を残す作家トルーマン・カポーティが、ノンフィクション小説の名作「冷血」を書き上げた6年間に迫るシリアスな伝記映画。実在した人物、トルーマン・カポーティを演じたのは、本作で第63回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞したしたフィリップ・シーモア・ホフマン。脇を固めるキャストもエド・ハリスやクリス・クーパーといった実力派ぞろい。フィリップ・シーモア・ホフマンが甲高い声でカポーティ成りきる名演は必見。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

農家の一家4人が惨殺された事件に目をつけたカポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、この事件を題材に雑誌の記事を書くことを思いつく。ザ・ニューヨーカーの編集者ウィリアム・ショーン(ボブ・バラバン)に話を持ちかけたカポーティは事件のあったカンザス州に向かうことを決心する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「カポーティ」その背景に耳を澄ますことによってのみ、見える映画

 「カポーティ」は作家トルーマン・カポーティが一家惨殺という実在の事件について書いた「冷血」の取材、執筆中の物語だ。しかし引き算に引き算を重ねるという際立った演出を見せるこの新人監督は、カポーティの正面には迫っていかない。彼は、カポーティが犯人の1人ペリー・スミスを取材していく過程で見せる、作家の激しいまでに業の深い横顔を、ひたすら追っていくのだ。だがその結果、人生にたった1つの道しか与えられなかったカポーティの悲哀や孤独が滲み出てくるのである。正面から描くよりも、ずっと深く、明確に。

 スミスもカポーティも共に、偏見と闘いならが生きてきた社会のアウトサイダーであった。スミスは殺人を犯した時に、被害者の目に映った一瞬の恐れに、初めて人として認知された自分を見つける。そしてカポーティは、作家としての才能で辛うじて社会と繋がっている。内容は異なっても、そのわずかな社会との接点は彼らが決して離すことのできない命綱なのだ。

 だからラストでカポーティが「スミスを救うために何もできなかった」と嘆いても、悔恨の言葉と騙されてはいけない。名声のためにスミスを利用した彼は、自分が良心を手放した事実を否定したくて情のあるフリをしただけなのだから。映画「カポーティ」の本当の姿は、スクリーンに映っているものではなく、その背景にあるものに耳を澄ますことでしか見えてこない。(木村満里子)

映画.com(外部リンク)

2006年9月28日 更新

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