「イカとクジラ」に向き合うこと
- 一人旅 さん
- 2020年3月1日 10時55分
- 閲覧数 567
- 役立ち度 4
- 総合評価
ノア・バームバック監督作。
両親が離婚したため、二人の自宅を行き来することになった兄弟の姿を描いたドラマ。
ウェス・アンダーソンが製作し、俊英:ノア・バームバックが監督と脚本を手掛けた作品で、同監督『マリッジ・ストーリー』(19)の前哨戦とも言える家族ドラマとなっています。
1986年のNY・ブルックリンを舞台に、作家の両親の離婚を機に、二人の自宅を交互に行き来する生活を送ることになった兄弟の心情を綴ったもの。“親の離婚”という深刻な問題を取り扱いながらも、淡々とユーモアを交えたオフビートな作風には、ウェス・アンダーソンの『ライフ・アクアティック』(05)に脚本家として携わったこともあるバームバック監督の経験が活きています。
離婚前から浮気を繰り返している母親や、自宅に居候させている教え子の女の子に心惹かれていく父親と長男の三角関係、性に目覚めて自慰に励む次男坊…と、インテリ家族の新たな日常を可笑しく綴っていくと共に、離婚した両親の狭間に置かれた兄弟の心の揺れを繊細に捉えています。
両親を演じたジェフ・ダニエルズ&ローラ・リニー、そして両親に翻弄される兄弟を演じたジェシー・アイゼンバーグ&オーウェン・クラインによる肩の力が抜けた自然体の演技に魅了されます。
詳細評価
イメージワード
- ロマンチック
- 切ない
- かわいい
- コミカル
このレビューは役に立ちましたか?