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父親たちの星条旗 (2006)

FLAGS OF OUR FATHERS

監督
クリント・イーストウッド
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3.73 / 評価:1895件

解説

第2次世界大戦時の最も悲劇的な戦いと言われる“硫黄島の戦い”を、アメリカ側の視点から描いた戦争映画。監督は『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド。日米双方の視点から“硫黄島の戦い”を描く“硫黄島プロジェクト”第1弾作品としても注目だ。有名な“摺鉢山に星条旗を掲げる米軍兵士たちの写真”の逸話をもとに、激闘に身を置いた兵士たちの心情がつづられる。『クラッシュ』のライアン・フィリップら、若手スターが多数出演。第2次世界大戦の知られざる一面が垣間見られる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

第2次世界大戦の重大な転機となった硫黄島の戦いで、米軍兵士たちはその勝利のシンボルとして摺鉢山に星条旗を掲げる。しかし、この光景は長引く戦争に疲れたアメリカ国民の士気を高めるために利用され、旗を掲げる6人の兵士、ジョン・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)らはたちまち英雄に祭り上げられる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc. and DreamWorks L.L.C.
(C) 2006 Warner Bros. Entertainment Inc. and DreamWorks L.L.C.

「父親たちの星条旗」巨大で恐ろしいキャンバスにどきりとする細部を滴らせて

 やはりそうだったのか、という納得ではなくて、そうかそうだったのか、という感嘆。イーストウッドの新作「父親たちの星条旗」を見ると、反射的にそんな言葉が浮かぶ。

 映画の背景は、硫黄島の激闘である。日本軍2万名が必死で防戦する黒い砂の島に、米軍3万名が押し寄せる。「太平洋戦線で最も血が流された戦い」はもちろん凄まじい。米軍は、上陸第1日に早くも2000名の兵を失う。殺伐とした島で展開される戦闘は、むしろ慄然とさせられる殺戮劇に近い。

 が、もうひとつ大きな主題がある。島に星条旗を立てる兵士たちを撮った、あの有名な写真だ。イーストウッドは、写真を通じて「英雄」の意味を探る。生き残った兵士たちは、なぜ戦争債券の宣伝に駆り出されたのか。

 広い視野と深い焦点を確保しつつ、イーストウッドはこの難問に迫る。理屈で迫るのではなく、映像の力と肉体の温度で迫る。硫黄島もシカゴの街も中西部の平原も、それぞれに異なった拍動を刻む。スターを使わず、画面の色彩をウォッシュアウトし、一定のリズムでフラッシュバックを用い……いつものことながら、彼の技術には無駄な飾りがない。巨大なキャンバスにどきりとする細部を滴らせつつ、イーストウッドは、みごとに安定した歩調で132分の長丁場を踏破する。原題の「旗」が複数になっていることも見落とさないでおこう。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2006年10月19日 更新

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