LGBTモノでは屈指の傑作!
- ポルティ さん
- 2019年4月8日 8時57分
- 閲覧数 478
- 役立ち度 5
- 総合評価
これは控え目に言っても秀作だと思う。トランスジェンダーというデリケートな素材をこれほど上手く料理している作品をちょっと他に知らない。
この作品に寄せられる称賛の大部分が主演のフェリシティ・ハフマンにあることは間違いない。女優が男性のジェンダーを演じているのはこれまで見た記憶がないが、それだけに余計に価値がある。彼女はこの難しい役どころを完璧に演じきっており、男の俳優が女装しているのかと見間違ったほどの成り切りぶりだ。
これほどの神演技を魅せながら何故主演女優賞を与えなかったのか、アカデミー会員の眼力を疑うぞ!
テーマはシリアスでなかなか際どい描写も出てくるものの、設定を恋人同士でなく、親子にした点がこの脚本の素晴らしいところ。終始ユーモア感覚あふれたほのぼのした空気感のある演出も相まって、鑑賞後には得がたい余韻を与えてくれる。
なかなかの力量を見せてくれた監督のダンカン・タッカーは本作でデビューした後は音沙汰を聞かないが、これ一発だけで見事に名を残した。
LGBTモノはいくらでも深堀出来る素材的な魅力もあり、今後も新たな秀作の登場が期待出来るジャンルだが、本作が現在までの(おそらく今後も)トップクラスの出来栄えである評価は全く揺るがないだろう。
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