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かにゴールキーパー

yad********

4.0

限界の向こう側

場末のレンタルビデオ店の常連客となって久しい。 今や数人の店員とは顔なじみである。勿論雑談などの会話は、一度も無い。 言葉など、いらない。目だけで会話する域に到達しているからだ。 例えばこんな感じ。 店員(若い女)『おや、また性懲りなく借りに来たのかい?ふっ、相変わらずこんなのばっかり。本当、変態だねぇ。』 やどにし『ば、馬鹿にするな!へ、変態じゃないやい!ぼ、僕はただ、その、あの。。。(もじもじ)』 店員『ふふふ「僕は」なぁ~に?ほら、そんな顔を赤らめちゃって。本当はこんな風に辱められて喜んでるだろう?もっと言って欲しいのかい?もっとさげすんだ目で見て欲しいのかい?』 やどにし『や、やめろっ!・・・やめて・・・下さい。。。もっと言って下さい。。。』 店員『ほ~ら、やっぱり。本当、とんだ変態野郎だよ、もう普通じゃ満足できないんだろう?さぁ、どうして欲しいんだい?ちゃんとおねだりしてごらん。』 やどにし『もっと、アルバ作品が、見たいです。。。“尻怪獣アスラ”が、見たいです。。。仕入れて下さい』 店員『10年早いわよっ!お前の様な未熟者はこの“デスバーガー”あたりがお似合いよっ!』 こんな感じで、ついつい借りてしまう。まさに店側の思う壺、僕はいい鴨にされている。 いつまでこんな無間地獄が続くのだろう・・・ B級レビューの筆を折りたい・・・お天道様に当たる生活をしたい・・・ ってことで、足を洗う丁度良いきっかけにと某有名チェーン店に足を伸ばした。 邦画レビューから遠ざかっていたので、ここは一丁邦画を借りようと・・・ 『おぉ~黒澤やら成瀬やら、もう一度観たかった作品がいっぱいだ~♪ けっ!もう二度とあんな場末の店なんか通うもんかっ!俺の居場所はここだ!』 で、結局借りてしまったのが・・・ ( ̄ー ̄)y-~~~~~~~~ 『かにゴールキーパー』 度重なる地殻変動と環境破壊が生物達の突然変異を誘発し、その結果生まれたのが巨大なカニ。 その巨大カニを拾って育てる少年との友情や、人間社会に溶け込もうと頑張るカニの姿を描いた作品。 B級作品って弄らずにはいられないポイントが“数箇所”あって、面白可笑しく突っ込める所を選んでレビューするんですが、この作品はあまりに多すぎます。 試しにちょっと弄ってみます。 この巨大カニ、百歩、いや1万歩譲っても‘カニの着ぐるみを着た人間’にしか見えない。 まぁ、低予算なんだろうから別に良いけどさ、しかし‘二足歩行’はあまりに間抜け過ぎるだろう・・・ このカニ君、惚れた人間の女性を救う為に、自分のカニミソを売り飛ばして大金を都合します。 そしてカニミソを失ったカニ君は、脳みそを失ったという理由で奇妙な言動をしだす・・・ ‘カニミソは脳みそではないぞ!’と突っ込むのは、早い。 なんと、見かねた家族はカニミソの代わりに西京味噌を詰めよった! そしたらそのカニ君、京都弁をしゃべれるようになりよった!!! まだまだ序の口。 こんなぶっ飛んだツッコミ所があと、100個くらいある。。。 肉食獣に捕食された草食動物が断末魔をあげた直後から、どこか恍惚とした表情になる時ってあるよね。あれってさ、脳内麻薬ドーパミンでラリってるらしい。 マラソンで35キロ地点あたりからハイになるのも同じ。 あまりの苦痛が限界を超えると、脳が勝手に分泌するらしい。 あのね、この『かにゴールキーパー』観てもドーパミンでラリってしまうよ。 あまりの苦痛に耐えかねて、終いにはどうでも良くなってくる。 限界の向こうへ辿り着くと、すべてを受け入れてしまい、逆に真面目に演技している役者が異常に思えてくる。そして何時の間にかカニ君の頑張りに感動し、応援したくなるのだ。 末期になるとニヤニヤしながら恍惚とした表情で鑑賞するようになる。 これはR指定すべきだ。 カニがキャバクラやソープ○ンドに売り飛ばされるのが不適切だからとかではない。 これは色々な意味で危ない作品だ。 その証拠にこの高すぎる平均評価は(以下省略) 最後にこの監督、この作品を「今回は正統派」とコメントしてたらしい・・・ これで正統派ならこれまでの作品は、どんだけ・・・

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