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ハード キャンディ
2006年8月5日公開

ハード キャンディ

HARD CANDY

1032006年8月5日公開

yh4********

5.0

 エレンのモノローグの実力、脱帽!!

 いや、エレン・ペイジファンなのでどんなものでも大丈夫なのだけれど、本作は彼女の実力派俳優と呼ばれる所以をより深く思い知らされただけでなく、この作品の画の撮り方自体が素晴らしく、芸術的だなと思った。  今回、パトリック・ウィルソン扮するカメラマンの男が出てきて、本作の中でスタジオをヘイリーに見せるシーンがあるけど、この男の家の壁紙自体が、カメラ向けなもので、とても映画としても魅力にあふれたカットがたくさんあるなぁと思って、感動しながら見れた。  エレンが好きであるにも関わらず、本作を一番最後に観る(『Juno』→『アメリカン・クライム』→『インセプション』→『ローラーガールズ・ダイアリー』→『賢く生きる恋のレシピ』→本作)という失態を犯してしまったが、ここでやっとエレンの最大の魅力を鑑賞することができたと思う。  その魅力とは、あの一人語りの部分だ。彼女の英語はカナダ人であることのせいなのか聞き取りづらいんだけど、上手い演技と同時に止めどない台詞が観客を釘づけにするし、本作では恐ろしさを加えていて、これぞホントの女優だと思った。また、男に語りかけるときに微妙に動く、目のあたりとか細かいとこまで、リアルですばらしい。  全体的にアップで、俳優の魅力や、登場人物の丸裸の感情みたいなものがストレートに伝わってくる。また最初の方で、ティラミスをアップにしているシーンはとても綺麗だなと思った。映像としてとても満足している。最後の屋上からシーンもまた、怖くて……カメラの怖さみたいなものを本作では十分に味わえた。  本作の全体的な最大の面白さというのは、男の醜さであると思う。そこもしっかり演じきったパトリック・ウィルソンもまた素晴らしい。本作では、最初男が何か隠しているのだけど、途中で嘘をついたり、曖昧な表現をしたり、隠したりするところで人間らしさみたいのが表れていて、十代の子達に性的魅力を感じてしまうという部分は登場人物だけの特徴ではあるが、殺人を犯してしまった人間(それもおそらく性的魅力を動機に)というのはこの男だけでなく、男性全体に言えることだと思うし、観ていて(自分は男です)女性よりもより一層、この映画で恐ろしい体験をしてしまったのではないかなと思った。僕はそういう趣味はないけれど、この映画を観て、この後に書く『リダクテッド』という二つの思い作品を同じ日に観てしまうと、自分の性欲というがとても恐ろしくなってくる(震  この映画の日本版の広報で、赤ずきんと狼という対立でとらえていたのはうまいなと思った。そういえば最後のシーンは、エレンが赤いパーカーを着てたし……。この映画はミステリー小説のように、見れば見るほど、深く人の醜さと、登場人物の心情が見えてくる恐ろしい傑作だと思った。 ミステリー部門(4.8点)

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