柔道龍虎房

THROW DOWN/柔道龍虎榜

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柔道龍虎房
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(7件)


  • xi_********

    4.0

    負け犬たちの闘い

    『過ぎ行く時の中で』は直球勝負の“泣ける映画”。『ヒーロー・ネバー・ダイ』は男限定の“慟哭映画”。 ん、何の話かって? “泣ける”ジョニー・トー映画を思い出してたんです。 ホロッとしたり、しんみりしたりってのは他にもあったんですが、文字通り“涙した”のがこの二作(あくまでも私の場合)。で、本作は三本目の“泣ける”ジョニー・トー映画。但し、『過ぎ行く・・・』と『ヒーロー・・・』は哀しみの涙でしたが、この映画のそれは感動の涙です。 かつては香港最強の柔道家シト・ポウ(ルイス・クー)も、今はクラブの雇われオーナー兼バンドマン。そんな彼の下に最強の柔道家を目指す熱血漢のトニー(アーロン・クォック)が現れる。一方、歌手を夢見るシウモン(チェリー・イン)は成り行きでシト・ポウのバンドのボーカルとなる。トニーはしつこく勝負を申し込むが、肝心のシト・ポウは無関心。結局、トニーもバンドに参加し機会を待つことにするが、彼が見たのは人生に捨て鉢なシト・ポウの姿だった・・・。 基本的にはこのバ○&ダメ男女三人が中心で、そこに高利貸しのマン(チョン・シウファイ)、シト・ポウの師匠(ロー・ホイパン)、知能障害の師匠の息子(カルバン・チョイ)、かつてのライバル(レオン・カーフェイ)などが絡みます。 いやはや、ジョニー・トーは本当に面白い監督です。 並みの監督なら黒澤明の映画(『姿三四郎』)を扱うプレッシャーから、単なるスポ根青春映画に終わったハズ。ハリウッドなら恋愛要素を強調しただろうし、コメディ路線に逃げる監督もいたでしょう。 ところが、ジョニー・トーは躊躇なく自分の色で染め上げる。 「悔しかったら、泣け~、泣け~♪」 これはオープニングに日本語で流れる主題歌の一節(勿論オマージュ)。つまり、先のレビュアーさんたちが書いている通り、本作はキワモノ色(ジョニー・トーの作家性)が強い“変な映画”ってこと。 映画の前半はダラダラ進行し(シト・ポウが無気力な理由は放置)、キャラ紹介もエキセントリックな奴ばかり。オープニングの歌、登場人物が全員揃う4テーブル同時の会談など、実にジョニー・トーらしい“ケレンたっぷりの演出”だらけ。ただ、個人的には『PTU』を境に格段の上達を感じさせるライティング(照明)と併せ、この“ケレン”こそ彼の真骨頂だと思うし、必要最低限の情報だけでストーリーを語る手腕は、やはり今のアジアで(って言うか世界的にも)最高の演出家だと認識する所以。 では、“ケレンたっぷりの変な映画”なのに泣けるのは何故か? それは本作が確たるメッセージを持った映画で、実は意外なほどシリアスなコンセプトで作られているから。 「しっかり生きよう!」 この映画でジョニー・トーが言いたかったのは、多分、この一言。 私の感想として、物語の中心となる男女三人が何を暗示しているのかに気付くと、この映画は俄然面白味を増すと思います。 直接にジョニー・トーの想いが投影されているのはトニー。あのキャラクターは、多分、一昔前の社会の勢い。彼は若者そのままの実直さを武器に、失敗を怖れず、ひたすらに挑戦を繰り返す。現代人からすれば愚鈍にも映る男ですが、演じるアーロン・クォックはやはり熱血漢が良く似合う。 紅一点のシウモンは、現実。台南で、台北で、そして香港で夢に拒絶された彼女の存在は、現実には「夢が叶うとは限らない」ことを示している。彼女の夢はきっと叶わない。だからこそ、走り出した彼女は美しい!余談ながら私が涙したのがこの場面で、おかげでチェリー・インが見せたとびきりの笑顔を見逃しちゃいましたよ(笑) そして主人公のシト・ポウは、私たち現代人。閉塞感に蔓延するシニシズム。それを極端に現したのがこのキャラで、ジョニー・トーはその姿に愛の鞭を浴びせる。演じるルイス・クーは柔道家には見えないけど、覇気のない陰鬱な表情のまま、無気力な時代を巧く演じたと思います。 この映画の面白いところは、劇中に“悪人”がひとりも登場しないこと。そして、登場人物は全員が“負け犬”であることです。このことが示唆する意味も面白いので、本作をご覧になる方はそこを考えてみるのも面白いかも知れません。 以上は私の解釈に過ぎませんが、つまり『柔道龍虎房』は、“負け犬”の私たちに激を飛ばし、人生は前へ進む闘いであると示す物語。 黒澤明の『姿三四郎』にインスパイアされた、実態はほぼ100%オリジナルのヒューマン・ドラマ。キワモノ映画と敬遠している方に言うならば、負け犬たちの闘いにも学ふべきことは意外と多いってこと。 ま、ジョニー・トー映画なんで、万人受けするとは思ってないですけどね(笑)

  • いやよセブン

    3.0

    黒澤明監督にリスペクト

    姿三四郎はモチーフで、所々映画版のシーンを再現させている。 柔道を捨てた男、その男に勝負を挑む若者、歌手の夢をあきらめない女、この三人の青春ドラマ。 コメデイタッチで進行し、意味不明な柔道家がたくさん出てきて、よく分からないうちに試合をしている感じ。 バックにはコテコテの演歌が流れており、ある種のカルト映画っぽい雰囲気がある。

  • イナガワマサト

    4.0

    ネタバレおまえは何故、立ち上がる。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • 盆栽

    5.0

    ジョニー・トー最高

    面白かった!!ここまで意味不明でおもしろくてかっこいい娯楽作品を作れるのは、ジョニー・トーだけでしょう。 映像かっこよすぎて、うなりっぱなし。 最高ですよ。笑えたし。

  • mas********

    3.0

    ひと昔の

    任侠映画の様で、ちょっと退屈でした。

  • ina********

    4.0

    しみじみ

    2006.7.11 沖縄・桜坂劇場にて ちょっと見ただけでは、 むかしの「香港映画」か、と思うのだが、 じわりじわりと、感じる映画。 物語、よくありがち、 何で香港で柔道なのだろう、 あのおじさんは何、 などヤマのような疑問がある。 けれども、 終わってみると、印象に残る。

  • sea********

    3.0

    アジアで生き続ける黒澤映画

    黒澤明の「姿三四郎」にオマージュを捧げた作品になっており、劇中何度も姿三四郎の映画挿入歌が登場人物によって歌われる。最初、「姿三四郎」のリメイク作品なのかと思ったが、物語はオリジナル・ストーリーだった。 日本人から見ると柔道シーンは流石に違和感いっぱい。柔道と言うより柔道に功夫をプラスした様な感じ。投げ飛ばされても投げ飛ばされても直ぐに起き上がって反撃して来る。思わず「違うだろう」と突っ込みを入れたくなってしまう。 柔道の達人司徒寶は何故柔道を止めてしまったのか?何故頑なにトニーの挑戦を退けようとするのか?が映画の中の謎になっていて興味深い。この謎が十分な説得力を持っていると映画として合格点だろう。その点で映画のラストに明かされる謎は、複線もひねりも効いていてかなり満足の行く出来。謎が明らかになって行く終盤はラストのハイライトまで一気に見せてくれる。 一方、司徒寶が自堕落な生活を続けて行く物語の前半から中盤までは、司徒寶が何故柔道をやろうとしないのか謎が謎のままである為、見所が無くて盛り上がらない。流石に映画として成り立たないと思ったのか、小夢(應采兒:チェリー・イン)というスターに夢見る女性を登場させて話を膨らませてあるが、色恋沙汰とは無縁である為、あまり思い入れが湧かないキャラになってしまっている。可憐なヒロインだったらもっと映画も盛り上がったろう。 映画の出来はさておき、黒澤明の「姿三四郎」は1943年公開の映画。半世紀も前の日本の映画がアジアの片隅で生き続けていることに感動を覚えた。

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