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UDON
2006年8月26日公開

UDON

1342006年8月26日公開

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5.0

ネタバレ香川県民はこう思っただろう、私を含め。

本日、香川県のとある映画館で15:50から上映の「UDON」を見に 行った。お客さんは、お母さんに手を引かれる子供や若いカップル、若い 女性に手を引かれる白髪のおじいさんまで、まさしく老若男女400席 満員御礼の中で幕が開け、そして驚く無かれ、拍手の中で幕は閉じた。 正直内容は陳腐である。香川県に野生熊などいないし場所移動もすっ飛び 過ぎて香川県民が余計に驚いてしまう。田舎者が挫折し、郷土の温もりの 中勇気を取り戻す、出来すぎたストーリーだ。しかし、香川県民にとって はそれだけでは無く、もっと深い感情に問いかける無形の力がこの映画に はあるのだ。 まず、この映画は香川県オールスター総出演である。ナンチャンや中野 美奈子アナ・松本明子や要潤はご存知の通り。加えてテレビチャンピオン 讃岐うどん初代優勝者や実際の麺通団団長の田尾さん・民放の魚住アナ など映画の中で見るとは思わないローカルな面々まで総出演するのだ。 そして、なんと言っても讃岐うどん。冒頭でも紹介あるように東京都全体 のマクドナルドの総店舗数より、日本で一番小さい県である香川県の うどん屋の数の方が遥かに多い。そんな数あるうどん屋の麺のコシや味を 見分ける類まれな味覚を子供のときから養われ、讃岐うどんとともに 大きく成長した香川県民にとっては、まさしくうどんはソウルフード である。うどんは確かに小麦と塩と水を練っただけだが、その味の決め手 は、昔ながらのうどん職人たちの知恵と勘であり、その長年の店ごとの 文化や英知を香川県民は確かに利き分けることができる。だからこそ、 古びた一軒家のうどんに喜び・歓喜する気持ちが、考えずに感じ取れる のだ。 また、讃岐うどんブームで犠牲になっている惨状の場面も心を動かされ る。実際に有名店の近くの車が二台ぎりぎり通れる道が、週末になると 片側に数十台と車が駐車してあったり、二車線の橋が片側駐車で一車線 になったりする。列に並ぶお客さんのために自動販売機を設置すれば、 店の御配慮なんのそので、空き缶や吸殻が川や道端に投げ捨てられる のだ。それを日々見ている香川県民にとっては、お客さんが大勢着て くれるうれしさと儚い喪失感が混じるむず痒い感情がこの映画を見ると 自然と湧き出てくるのだ。 わかってもらえるだろうか?? 子供のときから通ってるあの店が、 迷いに迷って辿り着いたあの店が、 いつも昼通ってるあの店が、 大将の笑顔が印象的なあの店が、 近所で顔馴染みのあの店が、 映画を見る前に立ち寄ったあの店までもが、 スクリーンいっぱいに写し出されるのだ。 それは単なる映像では無い。 子供の時の記憶や店ごとの味・交わした会話までもが 湧き上がり迫ってくる現実の世界なのだ。 どんな批判を浴びようが、香川県民にとっては満場一致で星5つだ。 最後に、映画を見て香川県民はこう思うだろう。 「心から、ありがとな」

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