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時をかける少女
2006年7月15日公開

時をかける少女

1002006年7月15日公開

z48********

5.0

青春映画の最高傑作

本作のすごいところは、世界観がしっかりと確立しているということ。青春映画というジャンルになってくるとどうしても「こういうの以前見たような…」というような気持ちになってしまうことが多いのですが、本作では全くそういうことを感じませんでした。 「青春」とくれば恋や入道雲、汗などを思い浮かべるのが普通です。しかしそういうものはこれまで実写やアニメ、映画やドラマ問わず散々やり尽くされてきました。そうなってくると、青春映画を描く際、制作者側は全く新しい世界観を作り上げようとします。しかしそれがうまくいった映画は決して多くありません。マニアックな方向へ進んでしまうなどして観客と映画の間に壁ができてしまったりすることが多いです。本作でもタイムリープというマニアックな方向へと足を踏み入れています。 しかしそれ以外は青春をダイレクトに描き出しています。また似たような作品になってしまわないか心配になりますが、決してそういうことはありませんでした。理由の1つとして演出のクオリティが非常に高かったからです。澄み切った青空、広大な入道雲、夕日など、青春の美しい世界を丁寧にかつダイナミックな演出は見ている人の心を奪います。そしてそんな背景のもと主人公真琴はタイムリープします。要するに時間を飛び越え過去に戻るというわけですが、このときのポーズが青い空と入道雲によってひときわ映えるんです。名作と呼ばれる作品にはどれにも必ずその作品にしかないものがあるというものです。例えばルパン三世ならあの有名な音楽、新世紀エヴァンゲリオンならかっこいい書体の文字を用いた演出など。本作では真琴がタイムリープする際のポーズと空の背景がそれにあたるでしょう。世界観がしっかりと確立しているというのはそういうことです。そのため以前見たようなシーンがあってもさらっと受け流せるのです。国内外で23の映画賞を受賞した本作ですが、それだけ評価されるだけのことはあります。 星5つ、青春映画の最高傑作です。

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