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ブラック・ダリア (2006)

THE BLACK DAHLIA

監督
ブライアン・デ・パルマ
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2.72 / 評価:715件

解説

『L.A.コンフィデンシャル』の原作者としても知られるジェイムズ・エルロイの同名小説を『アンタッチャブル』の名匠ブライアン・デ・パルマが映画化。40年代のロサンゼルスを舞台に、女優志望の女性が惨殺された“ブラック・ダリア事件”を追う刑事ふたりの運命が描かれる。主演は『パール・ハーバー』のジョシュ・ハートネットと『アイランド』のスカーレット・ヨハンソン。残忍な事件の全ぼうが徐々に明らかになるサスペンスの醍醐味と、濃厚で艶めかしい人間ドラマが絶妙なバランスで絡み合う。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1947年、LA市内の空き地で、女性が腰部分を切断された惨殺死体で発見される事件が発生。その女性、エリザベス・ショート(ミア・カーシュナー)はハリウッドで女優になる夢を見ながら哀れな最期を遂げたのだと判明する。LA市警の刑事、バッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)はその捜査にあたるが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2005 Millennium Films. All Rights Reserved.
(C) 2005 Millennium Films. All Rights Reserved.

「ブラック・ダリア」妄執を深めていく人物の行動理由が不明

 アンダーグラウンド映画の寵児ケネス・アンガーが、聖林黄金時代の闇を書き連ねた暗黒のゴシップ書「ハリウッド・バビロン」。そこに載せられた数々のおぞましい写真のうちでも、もっとも猟奇的かつ美しいのがエリザベス・ショートの人形のような惨殺死体なのであった。

 母親が娼婦、しかも殺害されたというオブセッションから生まれたJ・エルロイの原作小説は、そうしたイメージに過剰に寄りかかったものではなく、40年代ロサンゼルスの暝い人間模様を通して多面的に迷宮事件に迫ろうとするものだった。今回のデ・パルマ作品は主人公たちの三角関係を中心に抽出、それはそれで正しい選択だったとはいえるだろう。

 ただし、これが上っ面に過ぎてどうにも入り込めない。それぞれの俳優がいまひとつ適材とはいえず、妄執を深めていく人物の行動の理由も、ミステリ的趣向を深めるためか観客にはほとんど不明なまま勝手に物語は進んでいく始末(特にA・エッカート)。色彩を落とした画調にクラシカルなワイプ、大胆なクレーン移動俯瞰やクライマックスのスローモーションとデ・パルマらしいショットはあるがいたって控えめで、ある意味主役といえるロサンゼルスの街並みもどうにも安っぽい。ビジュアル化となればどうしても期待される「死体」の魅惑も裏切られて、結局「ファントム・オブ・パラダイス」の怪優ウィリアム・フィンレイの帰還がいちばん嬉しいというのは、どうにも困ったものではないか。(ミルクマン斉藤)

映画.com(外部リンク)

2006年10月12日 更新

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