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どろろ (2007)

監督
塩田明彦
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3.05 / 評価:2113件

解説

昭和42年「週刊少年サンデー」で発表された手塚治虫の最高傑作とも言われている怪奇漫画を実写映画化したアクション時代劇。体の48か所を魔物に奪われた百鬼丸が、体を取り戻すために男装した泥棒“どろろ”とともに魔物退治の旅に出る。主演の百鬼丸役に『涙そうそう』の妻夫木聡、どろろ役に『県庁の星』の柴咲コウを迎え、初の本格的なアクションを披露する。男女間の微妙な心情を強調したドラマや総製作費20億円以上を投入した驚異の映像が見もの。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

戦国の世を憂う武将の醍醐景光(中井貴一)は、乱世を治める力を得るため、自分の子である百鬼丸(妻夫木聡)の体から48か所を魔物に差し出してしまう。やがて体の一部を取り戻せることを知った百鬼丸は、魔物退治の旅に出る。一方、コソ泥のどろろ(柴咲コウ)は百鬼丸の強さの象徴である妖刀を奪うため、彼を追いかけ始める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2007映画「どろろ」製作委員会
(C)2007映画「どろろ」製作委員会

「どろろ」作家主義と大衆娯楽の乖離に陥っていた塩田作品の結節点

 流行りの“マンガ原作もの”とあなどってはいけない。時代に拮抗するフィクションを目指して衝撃的な手塚治虫作品を選び取り、重いテーマを娯楽のオブラートに包んで見せることに挑んだしたたかな大作である。

 骨格は、父の天下取りの代償として、全身に欠損を持って生まれた青年が、失われし体を取り戻す旅。ニュージーランドの大地を背景に神話的世界を目指し、香港からワイヤーワークの達人を招いてケレン味たっぷりの大立ち回りで魅せる。ただし、画的な統率感に欠けるのが残念だ。本編、アクション、特撮のタッチが遊離しすぎ、塩田明彦はスタイルを確立できなかった。難点を救って余りあるのが、主演の2人による掛け合いの妙。陰を背負った妻夫木と饒舌な少年キャラに扮した柴咲が、それぞれ身体を張って個人技をフル稼働させ、反発し合いながらも寄り添っていく様を生き生きと演じている。

 結果的には作家主義路線と大衆娯楽路線の乖離に陥っていた塩田作品の結節点になっている。なぜなら「どろろ」とは、親の欲望によって予め異形となり、社会から見捨てられ居場所を見出そうともがく若者のドラマ。そう、地下鉄サリン事件後の現代日本が生んだ、魂の孤児の彷徨を見つめた塩田の問題作「カナリア」を、エンターテインメントに昇華させた変奏曲になっているのだ。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2007年1月25日 更新

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