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バベル (2006)

BABEL

監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
  • みたいムービー 8,427
  • みたログ 1.5万

2.94 / 評価:3,704件

きれいな映画だが、日本に偏見あり

  • gig***** さん
  • 2018年8月30日 2時33分
  • 閲覧数 2026
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

全体としては演出に品があってきれいな映画だと思います。世界のさまざまな場所の出来事を同時に描くという方法も斬新です。内容の重みでぐっとくるというタイプの映画だとは思うのですが、しかしいま思うと、いろいろな国の社会問題や世相をそう簡単に理解できると思うのがそもそもまちがいだと思います。

たとえば日本についていえば、他の国よりも移民問題や紛争などの、ほかの舞台となる国々よりも治安がよいことは理解されていますが、「それにもかかわらず内部が腐った、変態的な形で性が表現される社会」という理解がされていると思います。なぜなら、ほかの国についてはひじょうに典型的な国内問題が描かれているので、日本はそういう国だという理解があるのだと思います。

しかしこれはよくある日本についての偏見です。日本については興味本位の情報だけが出回りますから、ほかの国でもあることでも日本特有のことのようなイメージがつくられることもあります。日本社会に問題がないなどということはありませんが、現実に即して理解されていることはむしろまれです。

そのあたりをすこしでも見聞きした人なら、外国人のイメージのなかの日本だということがわかると思います。作者はメキシコ人だそうですから移民問題については実地の感覚が入っているとは思いますが、日本についてはあきらかに国際的にメディアで出回っている日本のステレオタイプが影響していると思います。

日本はまじめな性質の社会ですから、そのガス抜きとしても、そういう状況をあえて破るような空想が創作の世界ではよく描かれますが、それが現実を表しているわけではない。この映画の日本は創作物からさかのぼって想像した日本のように思えます。それと援助交際のような問題を混ぜ合わせて、愛情の不足が問題だというメッセージにしたのでしょう。

それは普遍的なメッセージですし日本のなかでコミュニケーションが不足しているという事実はあるかもしれませんが、具体的な日本の理解とその表現はまちがっています。たとえば物語のクライマックスで抱擁の場面があります。日本ではちいさな子供と親や恋人同士以外ではまず抱き合うことはしません。別の表現が日本について表現する上では必然的です。

全体としては感動的な映画だと思いますが、社会問題はもっと冷静なアプローチも必要な複雑なものだと思います。結果として、メッセージは抽象的で直感的なものになっており、それはそれで心をうつものがあります。坂本龍一さんのテーマ曲もとても美しいです。

詳細評価

物語
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音楽

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